9000形
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 9000形は、運用を離脱した7000形7002号車の代替で、親会社の富士急行で廃車となった1200形のうち2連1本を、2018年に譲受したものである。元は1969年に製造された京王5000系で、富士急行への譲渡時に内装がロングシートと転換クロスシートを組み合わせたセミクロスシートに改造されていた。岳南電車への譲渡に際しては京王重機にて改造が施されており、外装は「インターナショナルオレンジ」に白帯を巻いた姿となり、かつて使用されていた5000形と同じ塗り分けパターンが採用された。前面の行き先表示は、従来と同じ位置にあるが方向幕ではなく、方向板を差し込む手法に変更されている。側面の行き先表示器は撤去されており、車外スピーカーが新たに取り付けられている。集電装置は富士急時代からのシングルアームパンタグラフを継続使用し、結果的に岳南電車では初の採用となった。走行機器類については大きな変化はなく、主電動機や台車についても営団3000系の廃車発生品を継続使用している。車内についてはセミクロスシートの内装はそのままながら、車内収受式のワンマン運転に対応するため、対応機器が設置されるとともに乗務員室背後の座席が撤去され、機器箱が新たに設置された。床材は富士急時代のものを基本としているが、扉付近については新たに黄色く着色されている。更に貫通路付近には防犯カメラも新設されている。岳南電車では約19年振りの新形式となるこの 9000形は、2018年11月に営業運転を開始した。2連を組むため、基本的には朝夕のラッシュ時を中心に使用される。なお、同車の岳南電車への導入により、伊予鉄道に続いて元京王3000系と5000系が同一線区で使用されるようになっている。

 2018,12,01 岳南江尾