わ99形
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 わたらせ渓谷鐵道では観光客誘致の為に大間々〜足尾間でトロッコ列車を運行させていた。従来はJR東日本のトロッコ車を借用して運用していたが、車両の老朽化から一旦運行を休止した後自社で保有する事となり、同列車に充当させるべく1998年に竣工したのがわ99形で、同社初の客車車両である。わ99形は通常の座席車両とトロッコ車両の二種類から構成されているが、このうち座席車にはJR東日本で廃車になった12系客車を塗装変更の上で導入しており、トロッコ車両は余剰となっていた京王5000系の中間車を種車に大規模な改造を施して導入している。この改造には冷房装置・電装品の撤去はもちろんのこと扉や壁面の撤去も行われており、その上で木製のテーブルやいす、転落防止用の柵が設けられ、名実共にトロッコ車両と言えるスタイルへと変貌している。また台車はJRの廃車発生品が流用されており、一目見ただけでは元京王の通勤型車両であることを思い浮かべる事は難しい。ただし側灯や側面の形式票等には種車の面影が残っている。尚、わ99形という形式ながら車番は5000番台となっているが、これは種車の車号をそのまま引き継いだものである。一方の元12系は塗装変更以外の主だった改造はなされず、種車のボックスシートをそのまま引き継いでいるが、こちらも5000番台の車号へと変更されている。両者とも標準塗装であるあかがね色に塗られているが、金色の輪及びロゴマークが側面に配されアクセントとなっている。わ99形は1998年10月より「トロッコわたらせ渓谷」として営業運転を開始した。通常は大間々〜足尾間を運行するが、イベント時などには相老・桐生まで延長運転を行う事もある。2012年には新型トロッコ車両が竣工するが、本形式も引き続き使用されて2種類のトロッコが併存する体制となる。

 2013,11,23 水 沼


■Variation
 中間に連結されるトロッコ車両は種車が京王5000系であり、通勤型電車からトロッコ客車への改造と言う、異色中の異色といえる大改造が施された。富士急行や一畑電車にも大規模な改造が施された元京王5000系は存在するものの、ここまでの改造を施された車両は後にも先にも同車が唯一である。

 2013,11,23 大間々
 窓のないトロッコ車両は、運行のない夜間や冬場にはこのように側面にビニールシートが取り付けられている。

 2011,12,27 大間々