12系
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 秩父鉄道では1988年よりSL「パレオエクスプレス」を運行していたが、当初同列車の客車はJR東日本高崎運転所に所属していた32系客車や43系客車等の旧型客車を借り入れたものであった。10年以上その体制で推移したものの、2000年には自社保有の客車へと置き換えることとなり、その結果JR東日本で廃車となった12系客車4両の譲渡を受けることとなった。秩父鉄道に譲渡された12系は、オハ12形とスハフ12形がそれぞれ2両という陣容であり、いずれもJR時代から改番されている(この他に更にオハ12形1両も譲渡されたが、こちらは部品取り用であり車籍編入はなされないまま広瀬川原車両基地に留置されている)。塗装は当初モスグリーン地にゴールドのラインが配されたものとなっており、スハフ12形の貫通扉部分にエンブレムが描かれていた。外観は変わったものの当初の車内は一部のトイレが閉鎖された点を除けばほぼ原形を維持しており、モケットもJR時代と同じ青色のものであった。12系は冷房装置付きで、かつ自動ドア・空気バネを装備しており、従来の旧型客車に比べてサービスレベルは大幅に向上しているといえる。尚、西武鉄道から乗り入れる4000系を除くと、12系は秩父鉄道では唯一のトイレ設置車両となっている。12系は2000年の「パレオエクスプレス」運転開始時より使用を開始しており、以来SL「パレオエクスプレス」を中心に使用され、オフシーズン時は電気機関車牽引による臨時列車にも充当される。2012年にはSLの大規模検査に合わせてリニューアル工事が施行されており、外観は赤茶色地にゴールドのラインに改められた他、スハフ12形の貫通扉には秩父鉄道の社章があしらわれた。更に内装も化粧板が木目調、モケットが赤色となる等レトロ調を重視したものに改められた。因みに旧型客車時代に借り入れていた車両は一部がJR北海道に譲渡されたものの現在も全車動態保存を貫いており、現在も乗車機会がある。

 2013,10,06 武 川