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E233系3000番台は2007年より製造が開始されたグループで、一般型車両に分類されるE233系の中では唯一近郊型車両としての側面が強い番台である。先代のE231系は近郊型とそれ以外で前面形状は異なっていたが、E233系では他の番台とほぼ同様の形状であり、フルカラーLEDの行き先表示器や複層ガラスを備えた側扉などはそのまま採用されている。本番台は近郊型仕様車であるため10両の基本編成と5両の付属編成が存在し、基本編成の4・5号車には製造当初より2階建てグリーン車が組み込まれている。帯色はE231系の近郊型と同色となっているが、こちらは扉部分にも帯が巻かれている。制御方式はIGBT-VVVFインバーター制御で、機器構成の二重化など他のE233系と同様の設計思想が反映されている。営業最高速度はE233系では最も高い120km/hとなり、高速走行時の安定性確保のためE233系では唯一全車両にヨーダンパが取り付けられている。車内はロングシートを基本としているが、基本編成は4両、付属編成は2両がセミクロスシートとなっており、ボックスシートも設けられている。全体的にE231系よりも暖色系でまとめられているが、座席モケットの色はE231系と同等となっている。先頭車やグリーン車を始め一部の車両にはトイレも備え付けられており、E233系ではすべて洋式に統一された。車内案内表示器はE231系に合わせた2段式のLED表示器となっており、E233系では唯一液晶表示器が採用されていない。グリーン車はE231系やE531系に準じた2階建て構造となっており、このグリーン車のみ側扉に化粧板が貼り付けられていない。当初E233系3000番台は予備車不足の補填で投入された側面が強く、実際に2007年に製造された15両と2010年に製造された15両(いずれも国府津区に配置)はE217系の更新工事等に伴う車両不足を補う目的で投入されたが、2011年以降は211系の置き換えを目的に導入されるようになった。次いで2012年からは宇都宮線・高崎線にも導入されたことで急速に増備が進み、最終的には2017年までに525両が製造されている。211系置き換えのグループの一部は田町車両センターや高崎車両センターに配置されていたが、現在は小山車両センターと国府津車両センターの配置となっている。元々E231系とは運用が分けられていたが、当初より併結しての営業運転も可能であり、2015年3月の上野東京ライン開業と同時に共通運用が組まれるようになり、E231系との併結運転も見られるようになった。併せて湘南新宿ラインの運用にも投入され、黒磯・前橋〜逗子・伊東・沼津と広範な運用を担うようになった。E231系共々、関東を縦断する大動脈の主力車両として活躍している。
2014,03,29 西川口 |