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1992年登場。元々は103系の置き換えを兼ねる次世代の通勤型車両の試作車として製造された901系である。901系はそれまでの車両とは車体設計が大きく異なっており、『重量半分・価格半分・寿命半分』が目標として掲げられている。即ち従来車に比しての大幅な軽量化、ランニングコストや消費電力の削減、そして減価償却期間を殆ど改修せずに使用し、減価償却期間を満たしてすぐ廃車した場合も経営上の影響を殆ど受けないことが目標となっている。その為に、製造会社によって異なる製造方法の導入、VVVFインバーター制御方式の本格採用、内装のモジュール化などそれまでの車両にはなかった新たな試みが導入されている。この901系の試用を元に、209系が量産される事となる。901系はA・B・Cと3編成が製造されて京浜東北線に導入され、それぞれ制御装置や内装が異なっていたが、1993年の209系編入に際しては、C編成が209系920番台と改められている。901系C編成は川崎重工製の車両を主体とするが、大船工場で製造された中間付随車も連結している。それぞれ工法が異なっており、川崎重工製の車両はA編成（後の209系900番台）、大船工場製の車両はB編成（後の209系910番台）と同一の工法で製造されており、側窓の形状や側扉の抑え方もそれぞれ異なっている。この編成の制御装置は三菱製のGTO-VVVFインバーター制御装置が採用されており、1つのインバーターで4つのモーターを制御する1C4M方式となったが、これが量産車の制御装置にも反映されることになった。なお、主幹制御器は当初ツーハンドルで、これは量産化改造時に左手操作式のワンハンドルマスコンに換装された。車内も川崎重工製の車両と大船工場製の車両では異なっており、川崎重工製の車両はA編成（900番台）、大船工場製の車両はB編成（910番台）に準じた内装で、特に後者は製造当初掴み棒の設置で吊革は搭載されていなかったが、量産化改造時に取り付けられた。なお、901系を出自とする編成は原則として車内案内表示器はつけられていなかったが、この編成の6号車にのみ試験的に液晶の車内案内表示器が設けられた（後に撤去）。量産車と同じ制御装置が搭載されていたことからデジタルATCへの対応に際しても大きな工事は施工されず、他編成と共に京浜東北線で使用されたが、試作車である元901系の3編成は早々に置き換えの対象となり、総武線にE231系を新製配置することで捻出された209系500番台に置き換えられることになった。920番台は2007年2月に定期運用を離脱し、東大宮での疎開留置を経て同年12月に廃車された。 2004,08,17 大 宮★ |