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2005年登場。残存していた103系3000番台の置き換えを目的に投入された車両である。本来は205系3000番台が増発されるところであったが、りんかい線の全10両化を伴うダイヤ改正による車両需要の増加により、八高・川越線の車両が2本不足する事態に陥った。同時にりんかい線の車両を10両に組み替えた際に6両が余剰となったことから、これら6両を譲渡の上、中間電動車を2両新造して103系の置き換えに回すことになり、この209系3100番台が登場した。第3セクターの車両がJRに譲渡された初の事例であると共に、既にE231系全盛の時代にあって209系を新造している、という2点から非常に希少な車両と言える。この際に新造された2両をもって209系の製造は終了している。種車であるりんかい線70-000形自体が209系をベースに製造された車両であることから、走行機器面に関しては殆ど変更なく、カラーリングの変更や行き先表示器のLED化、半自動化改造及び押しボタンの設置など、路線特性に合わせた改造がなされている。内装はりんかい線在籍時のままであり、新造された2両も極力他車と同じ仕様に合わせられている。ただし袖仕切りは通常の209系と同一のものが採用された他、扉のみは化粧板が貼られないステンレス地のままとなっているのが差異となっている。前述の通り4連2本8両が竣工し、これを以て全ての103系を置き換えるに至った。長らく他の209系と共に八高線・川越線にて使用されていたが、2022年3月のダイヤ改正より同線でワンマン運転が実施されることに伴い、未対応のまま存置された本番台はダイヤ改正に先立つ形で定期運用を退いている。
2018,05,12 小 宮 |