キハ47形
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キハ40系:キハ40形300番台キハ40形350番台キハ40形400番台キハ40形500番台キハ40形700・1700番台
     キハ40形1000番台キハ40形2000番台・キハ47形・キハ41形
 キハ47形は1977年から製造が開始されたキハ40系列の1グループである。キハ40形やキハ48形が片開き扉を備えているのに対し、こちらは幅1300oの両開き扉を車体に2か所配置しているのが特徴で、本系列の母体となったキハ66系に最も近い構造となっている。この構造のためデッキは設けられておらず、暖地向けに製造された車両が大半を占める。また、両運転台車両は当初は存在せず、全車とも片運転台で製造されている。暖地向け車両は台車がキハ40形2000番台と同様のコイルバネ台車となっており、車端部にトイレ(及び屋根上に水タンク)を有する車両が0番台、トイレのない車両が1000番台に区分され、1983年までに327両が製造されて北海道以外に配置された。1978年からは新潟地区にも投入されたが、こちらは寒地向け仕様となり、ドアステップ部まで暖房回路が配されている他、台車がキハ40形500番台と同様の空気バネ台車となっている。寒地向け車両は車端部にトイレを有する車両が500番台、トイレのない車両が1500番台に区分され、43両が製造されて当初は全車とも新潟に配置された。なお、いずれの番台であっても走行機関はDMF15HSA(出力220PS)、制動は自動空気ブレーキでブレーキ方式が共通である他形式の気動車とも混用可能で、この点はキハ40系列共通である。また、外装については製造当初は朱色5号の一色塗装が施されていた。車内は扉付近がロングシート、その他がボックスシートのセミクロスシートであり、ボックスシートのシートピッチは他のキハ40系列と同等である。暖房装置は暖地向け車両が過半数ながらキハ40形と同様に新設計の温風暖房が採用されており、既存車に比べ暖房能力が向上しているが、冷房装置については製造当初は全て設けられておらず、かつトイレの汚物処理装置も準備工事に留められていた(後に設置)。車歴が若いこともあり国鉄時代の廃車はなく、全車ともJR北海道の各旅客会社に継承された。なお、冷房化改造は国鉄分割民営化の時点では九州に配置された10両のみに施工されており、以降は各旅客会社で漸次施工されている。なお、500番台・1500番台は前述のとおり新潟地区向けに投入されているが、1984年の弥彦線・越後線電化開業に伴い一部車両は西方に転出している。民営化後は一部を除き各社、地域ごとに独自の塗装を纏っている他、JR四国以外はエンジンや変速機の換装を施され、出力及び性能が向上している車両も多い。また、JR西日本では1999年以降全車に延命N40工事が施工され、他社の車両に比べ外観が変わっている他、オールロングシート化が施され2000番台・3000番台に改番された車両が岡山・米子・広島地区に存在する。最も両数の少なかったJR東海(5両のみ継承)は2015年に全廃となりミャンマーに譲渡、JR東日本でも2020年に大半の車両が運用を離れ、一部がミャンマーに譲渡されたが、JR西日本やJR九州では今もなお纏まった両数が在籍し、主力車両として使用されている。なお、JR西日本、JR四国、JR九州ではジョイフルトレインや観光列車の種車になった車両も存在する他、JR西日本では1998年以降にキハ47形に両運転台化改造を施したキハ41形も存在する。

 2016,11,14 佐 賀


■Variation
 新潟地区に配置された500番台・1500番台は、他の寒冷地用キハ40系列と同じく空気バネ台車が搭載されている。全車とも新潟に新製配置されたが、1984年の越後線・弥彦線電化開業等により一部が新潟を離れ、JR西日本、JR四国、JR九州に継承された車両も存在する。分割民営化後は各地域の独自塗装に塗り替えられているが、後年になりキハ47-514・515の2両は朱色5号の一色塗装に復元された。なお、新潟地区には500・1500番台の他に、当初水郡線に配置されたキハ47形0・1000番台も配属されていた。

 2008,02,09 会津若松
 新潟地域色を纏うキハ47形。新潟の雪、日本海の海、新潟県花ユキツバキの花をイメージした3色に塗装されており、115系も一時期同様の塗装が施されていた。キハ40形共々、新潟地区のキハ47形は磐越西線や羽越本線を中心に用いられた。

 2009,08,26 越後石山
 赤11号とクリーム4号のツートンカラー、所謂「国鉄急行色」に塗り替えられたキハ47形。2014年に、新潟に配置されたキハ40形、キハ47形、キハ48形の各1両がこの塗装に塗り替えられている。キハ40系列自体はこの塗装を纏うのは初の事例であるが、同型のキハ66系は登場当初この塗装であり、キハ47形はそれに近いイメージとなっている。通常運用の他、臨時列車にも優先的に使用されたが、GV-E400系の導入により2020年に運用を離脱し、ミャンマーに譲渡された。なお、同色のキハ47形は2020年にJR西日本にも登場している。

 2015,07,26 加 茂
 JR西日本には189両ものキハ47形が継承されており、これは旅客会社の中では最も多い両数となっている。1989年から冷房化改造、1994年からは機関換装、更に1999年からは延命N40工事が施工されており、特に延命N40工事により側窓が他のJR各社のキハ47形とは異なる形状となった他、戸袋窓やルーバーが埋められている。また、この時点で押しボタン式半自動扉が搭載されている。JR西日本では、米子支社を除き地域ごとに独自の塗装が施されていたが、2009年からの車両単色化に伴い、後述のラッピング車両を除き登場当時の朱色5号(首都圏色)一色塗りへと回帰している。なお、キハ40系列は当初タイフォンはカバー付きのものであったが、後に西日本以西を中心にスリット形タイフォンへの換装が行われている。

 2015,05,04 郡 家
 広島支社に在籍するキハ40系列は、他の車両と同様に近年は尾灯のクリアテール化が進んでおり、印象がやや異なる。

 2017,10,22 木 与
 岡山地区のキハ40形は、2017年から前照灯のLED化が進んでいる。現在のところ他地区・他社のキハ40系列には見られず岡山地区のキハ40系列の特徴となっている。

 2024,10,20 弓 削
 。富山地区に所属するキハ40系列はワインレッドを基調に白帯が配された塗装を纏っていた。同地のキハ58系も一部はこの塗装を纏っていたが、朱色5号への塗装変更に伴い見られなくなっている。

 2011,08,01 氷 見
 鳥取鉄道部に在籍していたキハ47形のうち、キハ47-146とキハ47-1112の2両は、黄緑をベースにしゃんしゃん傘や白兎のイラストが描かれた、「花傘塗装」と呼ばれる塗装になっていた。同地域のキハ40系列は朱色5号の一色塗りが大半だったため目立つ存在だったが、単色化のあおりをうけ2012年と2016年に塗装変更が施され、この姿は見られなくなっている。

 2013,07,20 鳥 取
 境線で運用される後藤所属のキハ40系列は、境港が漫画家水木しげるの出身地であることに因み、大半の車両に「ゲゲゲの鬼太郎」のラッピングが施されている。車両ごとに特定のキャラクターが描かれたラッピングがなされており、特にキハ47形の場合は1両ごとに異なるキャラクターとなっている。キハ47-2004は「こなきじじい」のラッピングが施されている。なお、「ゲゲゲの鬼太郎」ラッピングは1993年より時折デザインを変えつつ行われており、この「こなきじじい」も2020年現在は異なるラッピングとなっている。

 2013,07,19 米 子
 キハ47-2004と組むキハ47-2019は、「砂かけばばあ」のラッピングが施されている(これも2020年現在はラッピングが新しくなっている)。なお、境線では2019年からICOCAが導入されているが、それに先立つ形で同線で運用されるキハ40系列、キハ126系列は車載型ICカードリーダーが新たに搭載されている。JR旅客会社では初の導入であり、JR西日本では境線での導入を皮切りに関西本線のキハ120形や227系1000番台、521系100番台等でも採用されている。

 2013,07,19 米 子
 岡山地区に配置されたキハ40系列はグレー地を基調に腰部を茶色とし、境目に青帯が配された独自塗装を纏っていた。吉備線や津山線を中心に使用されたが、こちらも2017年までに「みまさかノスタルジー」となった車両を除いて朱色5号一色塗装に戻されている。

 2014,12,31 津 山
 2016年に観光列車「みまさかノスタルジー」として外装変更・改造が施された車両。朱色4号とクリーム4号のツートンカラーに塗装された。内装面でも座席モケットを国鉄時代と同じ青色に変更し、ボックスシートへの栓抜きの設置がなされた他、車端部の一部が窓向きのカウンターシートに改められている。なお、2020年には所謂「国鉄急行色」に塗装変更されている。

 2018,06,15 岡 山
 広島支社に配置されたキハ40系列は、黄色と白を基調とし、中間に濃い灰色、腰部に淡い灰色の帯を配した塗装を纏っていた。同系列のみならずキハ30系列、キハ45系列、キハ58系列もこの塗装を纏い、広島・山口の非電化路線はどの線区にもこの塗装の車両が配置されていた。

 2008,08,08 徳 山
 JR四国のキハ47形。キハ47形は500番台・1500番台各5両を含めた42両がJR四国に継承されており、白と水色のツートンカラー塗装となっている。1988年から冷房化改造が施されているが、現在までエンジンは換装されておらず、製造当時からのDMF15HSAを搭載している。四国におけるキハ40形は当初四国の全エリアに配置されたが、車両性能や後継車両の台頭等により、現在は徳島運転所にのみ在籍し、高徳線、徳島線を主体に徳島線、牟岐線の一部区間でも用いられている。キハ40形よりも先に廃車が始まっているが、うち2両が車籍復活のうえ「伊予灘ものがたり」に改造され、2両がJR九州に譲渡のうえ「或る列車」に改造されている。

 2013,12,29 徳 島
 JR四国のキハ47形のうちキハ47-114とキハ47-1086の2両は朱色5号の一色塗りに復元されている。復元に際しては前面窓が白Hゴムでの固定となり、より国鉄時代に近い姿に復元されている。引き続き徳島運転所に所属し、高徳線を中心に使用されている。

 2015,05,03 高 松
 JR九州に継承されたキハ47形は全番台あわせて106両と、キハ40形の3倍ほどの車両が継承されている(この他「或る列車」の種車としてJR四国からキハ47形2両を導入)。大半の車両が白地に青帯のJR九州色を纏っており、早々に冷房化も行われている。現在もなお殆どの非電化線区で用いられており、主力車両としての活躍が続くが、若松線や香椎線にBEC819系が導入されたため、直方に所属した車両を中心に廃車も発生している。九州のキハ47形は1990年から機関換装が開始されているが、1993年までに機関換装された30両はキハ147形と形式が改められている。

 2013,03,17 立 野
 1999年以降に機関換装された車両は、形式はキハ47形と変わりないが原番号に8000が足され、8000番台ないし9000番台に改められた。このグループの一部は後に「D&S列車」の種車となっている。なお、JR九州には寒地向けの500番台・1500番台も4両配置されたが、現在は機関換装及び2軸駆動化され、3500番台・4500番台と独自の番台に改められている。

 2014,08,02 山 川
 JR九州に在籍する寒地向けの500番台・1500番台は、機関換装と2軸駆動化がなされており、現在は3500番台・4500番台に区分されている。元々は前述のとおり新潟に新製配置された車両で、1984年の越後線、弥彦線電化を契機に転じたものである。台車は引き続き空気バネ台車を搭載しており、JR九州のキハ40系列の中では異色の存在といえる。

 2019,11,03 熊 本
 香椎線で運用されるキハ47形のうち一部は「AQUA LINER」と称される独自の塗装が採用されていた。また、JR九州標準塗装の車両を含め香椎線の車両は側面にLED式の簡易行き先表示器が設けられ、外観上の特徴となっていた。なお、香椎線ではBEC819系の導入により2019年3月のダイヤ改正で一斉に運用を離脱しており、機関換装車は他線に転属したが機関未換装車はそのまま廃車されている。他線でも香椎線からの転入により余剰車の廃車も発生し、JR九州でもキハ40系列の本格廃車が始まっている。

 2019,03,10 香 椎
 2022年9月の西九州新幹線開業を機に長崎本線の肥前浜〜長崎間が非電化となり、主に同線を走行する目的で佐世保車両センターに転属したキハ47形は有明海をイメージした青色を基調に、朝日や夕日を思わせる白、黄色、オレンジの波型模様が配されている。更に窓上には沿線自治体の名前がローマ字で書かれている。同地区への転属に際しては塗装変更の他、トイレの洋式化やステップの低減、側面サボ入れの設置等の改造がなされているものの、客室部は大きな改造は施されていない。この姿のキハ47形は2022年9月のダイヤ改正後、長崎本線江北〜長崎間と佐世保線で運用を開始した。特に肥前浜〜小長井間については特急「ふたつ星4047」を除いて本形式に運用が統一されている。

 2023,09,23 浦 上
 キハ47形のうち500番台を出自とする3500番台・4500番台は全て佐世保車両センターに転属し、上述した専用塗装へと変更のうえ、長崎本線・佐世保線への転用がなされた。

 2023,09,23 浦 上
2023/11/28