2002年登場。製造から30年近く経過した8500系の置き換えと、翌年からの東武線への直通運転開始をにらんで製造された車両で、現在の東急の標準車両と位置付けられている車両である。車体構造はJR東日本のE231系をベースとしているが、地下鉄直通対応車両であることから袖は絞られておらず、また床面の高さが低減されており段差解消が図られている。尚、走行機器類や台車等は3000系で採用されたものをベースとしており、その点はE231系と異なる。制御方式はIGBT-VVVFインバーター制御方式だが、3000系が東芝製のものであったのに対しこちらは日立製のものとなっている。車内は青系でまとめられており、大型の袖仕切りや片持ち式ロングシート等、E231系に類似した内装となっている。特筆すべきは扉鴨居部の液晶表示器であり、同時期に登場したJRのE231系500番台同様、本格的な液晶表示器を採用した嚆矢であると言えよう。第1編成は当初1基のみ取り付けられていたが、第2編成以降2基搭載となり、後に第1編成も改められている。2004年からは混雑緩和を目的に6扉車両が連結された編成も現れた。これは既存の編成にも一部波及することとなり、また当初2両連結であったものが後に3両連結に変更された事から、1両単位での編成変更が多く行われる要因となった。中には電装解除等の大規模な改造を施される車両も存在しており、東横線の5050系を含め、同車は大手私鉄の近年の車両の中では最も車両の動きが激しい車両の一つと言う事が出来る。この影響で、東横線に投入される5000系も現れた。現在の5000系は10連18本、8連4本の陣容であり、うち10連15本に6扉車が3両連結されていた。6扉車は田園都市線の混雑緩和の一環で増備され、ラッシュ時には限定運用も組まれたが、ホームドア導入に伴う弊害により、2016年から翌年にかけて新造の4扉車に置き換えており、10年前後でお役御免となってしまった(一部発生品が3000系増備車や6000系増備車等に転用されている)。本数自体に変動はなく、10連は田園都市線系統、8連は東横線系統で主力車両の一つとして活躍している。 2008,05,04 溝の口 |
■Variation |