5050系
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 2004年登場。製造から30年以上経過している8000系の置き換え用に登場した、東横線の新しい主力車両である。田園都市線用の5000系を母体としているが、定員増加を図るため車体幅が5000系よりも拡大されている。車体上部には東横線のラインカラーである桜色の帯が配され、車内の座席モケットもそれに準じた色となっている。その他のアコモデーションはカラースキームを除いては5000系と変わりないが、日本の鉄道車両として初めて行き先表示器に白色LED式を、世界の鉄道車両として初めて種別表示器にフルカラーLED式を採用したことが特筆される。この5050系を嚆矢として現在は数多くの鉄道会社がフルカラー式LED表示器を採用している。5050系は現在まで新造が続き、それに伴い2007年までに残存していた8000系・8590系を全て撤退させており、東横線を走る東急車は全てVVVFインバーター制御車両に統一された。また現在は同車増備による9000系の置き換えがなされており、結果として東横線における東急車は殆どがこの5050系となった。2013年3月より地下鉄副都心線との直通運転が開始されるが、それに先立つ形で2012年9月より直通他社での先行営業運転が開始されており、飯能や森林公園、更には有楽町線の新木場でもその姿を見る事が出来るようになっている。最終的には8連23本、10連15本の陣容となっており、5000系列では最も両数の多い存在となった(尚、10両を組む編成は4000番台に区分されている)。20年近くに渡り増備が進んだことから製造時期により仕様に違いが生じており、とりわけ2013年に製造された2本は、1本が特別仕様車「Shibuya Hikarie号」、更に1本は、次世代ステンレス車両である「sustina」を国内で初めて採用した車両が連結されるなど特徴的な車両が多い。また、8連から10連に増結された車両の一部は、大井町線にも導入されているデュアルシート車両「Qシート」が導入されている。なお、2014年に元住吉駅構内で発生した衝突事故の影響により、該当の1本が廃車された他(代替で2016年に1本を新造)、1本が横浜高速鉄道に譲渡されY500系に編入されている。2021年からは新たに相鉄線への直通対応工事が施工された車両も現れており、2023年3月の新横浜線の開通以降は相鉄線内でもその姿が見られるようになった。

 2012,02,10 新丸子


■Variation
 2007年以降に製造された編成からは側扉が複層ガラスのものへと変更されている。この扉には新たに化粧板がつけられており、とりわけ車内の印象が変わっている。以降製造された東急の車両は、デヤ7500系を除き側扉は全て複層ガラスのものとなった。また、2010年以降に製造された車両は強化型スカートが取り付けられた他、登場時より副都心線・東武線・西武線での走行に対応している。尚、2013年3月のダイヤ改正で東横線には10連の車両も走行するようになったことから、8連を組む編成は識別のためにステッカーが貼り付けられている。

 2013,03,29 多摩川
 2011年より製造が開始された10両編成を組む5050系は4000番台と区分されている。編成両数が異なるだけでなく、登場時より副都心線・東武線・西武線での走行に対応しており(2009年以前に製造の従来車は改造により本設)、また車内荷物棚が新しいタイプのものへと交換され、扉鴨居部のLCDが17インチに拡大される等の変更点も生じている(同時期に製造された8両編成の5175Fも同仕様となっている)。尚、4000番台の中には一部他編成や5000系から編入された車両も存在するが、基本的な仕様はこちらのものへと改められている。現在は10連6本が在籍しているが、副都心線直通開始までに更に増備される予定。10連を組む編成は自社線内での営業開始よりも早く、2012年9月より直通他社で先行して営業運転を開始しており、東武東上線内では5000系列では唯一「普通」と種別表示を行っている。

 2012,09,18 朝霞台
 2013年に製造された5176F。この編成のサハ5576号車は、東急と東急車輌(後に総合車両製作所)が次世代のステンレス製車両として開発を進めてきた「sustina」が初めて試験的に採用されており、他の車両とは車体形状が異なっている。「sustina」は翌年のEV-E301系やE129系等JR東日本の新車を皮切りに本格採用が進み、東急では2017年の2020系で本格採用されることとなる。

 2018,12,09 自由が丘
 4000番台のうち初期に製造された3編成は8両編成に短縮の上、先行して東横線で営業運転を開始した。しばらくは他車に混じって運用に就いていたが、2013年3月までには10連に戻されている。尚、外れた中間車に関しては長津田に留置されていた。

 2012,02,10 新丸子
 2013年に製造された4110F。同編成は渋谷にある商業施設「渋谷ヒカリエ」の開業1周年を記念した特別仕様車として製造されており、「Shibuya Hikarie号」の愛称を持つ。外観はゴールドと赤を基調とした外装は他の車両には見られないものである他、内装も号車によってカラースキーム・袖仕切り等が異なるものとなっており、文字通りの特別仕様となっている。同編成は「渋谷ヒカリエ」の開業からちょうど1年となる4月26日より営業運転を開始ししており、通常は他の4000番台と共通の運用に充当されるが、イベント列車としては優先的に使用される予定となっている。尚、5050系の中では同編成のみ車両の寸法が他の5050系と異なり、5000系と同等となっている。

 2013,06,29 中目黒
 ヘッドマークのない4110F。基本的にはヘッドマークを取り付けて走行する同編成だが、時折外して走行することがある。この編成も御多分に漏れず相鉄直通にも対応しており、相鉄線へは新横浜線開業3日目に、試運転を介さず営業運転で初入線した。

 2016,05,28 自由が丘
 いずみ野線を走行する5050系。5050系のうち、10連を組む4000番台の編成に対して相鉄線への直通対応工事が施された。相鉄への直通開始後も既存の乗り入れ範囲は変わらず、まさに八面六臂の活躍を見せている。なお、4000番台の編成は完全新造の10本の他、元々8連を組んでいた編成に2両を増強し4000番台へと改番を施した編成が5本存在する。

 2023,05,24 緑園都市
 2022年以降に8連から10連に増結された5050系4本については、増結された中間車は全てデュアルシート車両「Q SEAT」となり、東横線のラインカラーである赤色を基調としたラッピングが施されている。2023年春の時点では座席指定サービスの類は東横線では実施されておらず、他の5050系10連と共通の運用に就いている(「Q SEAT車」はロングシートの状態で運用されている)。

 2023,05,24 多摩川

2023/05/30