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1995年登場。従前のJR西日本の新快速は221系による120km/h運転が行われていたが、更なるスピードアップを見据えて製造されたグループである。車体は軽量ステンレス車体だが、灯具配置は0番台と異なっている他、帯色は221系に準じたものが巻かれている。0番台は戸袋窓がついていてビードレス車体でであったのに対し、こちらは車端部を除き戸袋窓が廃止された反面、ビードプレス車体となっており車体強度を上げている。なお、側窓は0番台よりも大型化されている。制御方式はJR西日本の車両として初めてIGBT-VVVFインバーター制御方式が採用されている。本番台最大の特徴として、従来はそれぞれ独立していた制御装置と補助電源装置を一体化した点が挙げられる。即ちインバーターを共通化して制御装置にも補助電源装置にも使用可能とし、万一どちらかが故障した際には機能を切り替えることで冗長性を確保している。最高時速は130km/hとなっており、新快速の速度向上に寄与しているが、高速運転時の乗り心地維持のためにヨーダンパが搭載されている。車内は0番台とは異なり、221系に準じた2・2人掛けの転換クロスシートとなっており、座席モケットも221系に準じたものが採用されている。車内案内表示器は扉鴨居部に千鳥配置とされた。トイレは和式トイレで、JR西日本の一般型車両としては最後に和式トイレを採用した車両となっている。この223系1000番台のうち、1995年に製造された1次車は、同年に発生した阪神淡路大震災以降の車両不足により予定を前倒しの上で投入されており、1995年8月に営業運転を開始している。その後1997年にも増備されており、総勢8連9本、4連5本の92両の陣容となった。以降の増備は更にコストダウン等を図った2000番台となり、その2000番台が一大勢力を築くことになったため、本番台は比較的少数派となっている。新快速が乗り入れる線区全てで運用されるほか、草津線でも定期運用を有する。2016年までは大垣までの定期運用も存在した。2019年からは体質改善工事が施工された他、同年から開始された新快速の座席指定サービス「Aシート」の導入にあたり本番台の4両編成の一部が施工対象となり、施工車は、中間扉を埋めて2扉とされた他、座席が全て970oピッチのリクライニングシートに改められており、外装も青と白帯を巻き、側扉に黄色いラインが配されるなど他の車両と区別されている。
2017,09,23 唐 崎 |