E3系0番台
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E3系:0番台・1000番台2000番台とれいゆ現美新幹線
 量産先行車が1995年、量産車が1996年にそれぞれ登場。山形新幹線に次ぐ「ミニ新幹線」として、田沢湖線の全線改軌及び奥羽本線の一部改軌を施し、盛岡と秋田を短絡する「秋田新幹線」を整備することとなり、同線に直通する新幹線車両として開発された車両がE3系である。車体寸法はすでに山形新幹線に投入されていた400系をベースとしているが、こちらは同時期に開発されていたE2系と構造や車両性能があわせられている。車体はアルミ合金製となり、鋼製であった400系に比べて1両あたり約2t軽減されている。塗装は白とメタリックグレーを基調とし、その間にピンク色の帯が配されたものとなっている。量産先行車は400系に類似した前面構造となっており、HID補助灯を窓下中央に備えている点が特徴である。量産車は前面形状が変更されやや平滑な形状となり、前照灯・日所等の何れも窓下への配置となり量産先行車とは印象が変わっている。前述のとおり走行性能はE2系に合わせられており、初期に製造された車両はGTO-VVVFインバーター制御方式(補助電源装置はIGBT素子を使用)が採用された。主電動機もE2系と同じものを搭載しており、最高時速275km/hでの走行を可能とした(在来線区間では最高時速130km/h)。車内はグリーン車、普通車とも2+2人掛け配置のリクライニングシートとなっている。当初自由席と指定席がそれぞれ設けられていたことからシートピッチがそれぞれ異なり、前者は910oピッチ、後者は980oピッチとなっている他、モケットの色、手すりの有無などの違いが生じていた。グリーン車は1160oピッチとなっている。E3系0番台は1997年3月のダイヤ改正から「こまち」主体で営業運転を開始した。量産先行車を含め秋田新幹線開業までに製造された16編成については当初は5連を組んでいたが、輸送力向上のため1998年から編成を増強することになり、同年中に全編成とも6連化された。その後も輸送量増強や200系置き換え等を目的にマイナーチェンジを加えながら増備が進み、最終的には2005年までに26編成が製造された。秋田新幹線開業当初の「こまち」は東北新幹線内では200系ないしE2系の「やまびこ」と併結していたが、1999年からは併結相手がE2系のみとなり全列車とも東北新幹線内では最高時速が275km/hとなった。さらに併結する列車が2002年からは「はやて」に統一され、この時点で「こまち」は自由席車として設定された車両も含め全席指定となった。長らく秋田新幹線は本系列の独擅場であり、「こまち」を始め主力車両として活躍したが、経年及び更なる速度向上から2013年以降後継のE6系が投入されることに伴い2014年までに秋田新幹線からは撤退した。置き換え後は1998年までに製造された編成は廃車されたが、2002年以降に製造された編成は観光列車への改造、1000番台に改番のうえ山形新幹線へ転用、東北新幹線の増結用途への転用など、編成ごとに異なる変遷をたどった。未改造で残った2編成は引き続き東北新幹線の増結用として残され、2019年までは回送ながら秋田新幹線区間を走行する姿も見られた(同年まで所属が秋田のままであり、交番検査等を同所で受けていたため)。この2編成は2020年の運用縮小により余剰となり、翌年までに廃車されたことで、0番台は廃区分番台となっている。また、改造された車両についても2024年までに全廃となっている。

 2012,08,02 大 宮


2025/06/21