E231系近郊型
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 E231系のうち、近郊型タイプとして製造された車両は、当初宇都宮線・高崎線で用いられてきた115系の置き換えを目的として、2000年に製造が開始された。投入される路線の特性から4M6Tを組む基本編成と2M3Tを組む付属編成の2種類が製造され、増解結しての運用が可能となっている。通勤型タイプとして製造された車両とは異なり、E217系で採用された衝撃吸収構造を導入しており、それに伴い乗務員室の面積が広くなっている。前照灯は上部にHID灯が取り付けられ、下部には尾灯のみ配置されている。また、運行番号表示器の位置も通勤型タイプとは異なり、窓下に設置されている。元々湘南色の車両が活躍していた線区に導入されることから本系列の帯色もそれを踏襲し、オレンジとグリーンの2色の帯が配されている。比較的寒冷となる北関東地区も走行することから半自動ドア機構が採用されており、側面にはドア開閉用の押しボタンも設けられた。側扉は209系950番台(後のE231系900番台)で試用されたリニアモーター駆動式が本格的に採用され、1つのモーターで両扉を開閉するようになっている。制御方式はIGBT-VVVFインバーター制御方式で、日立製の制御機器が採用されている。車両情報装置は通勤型タイプと同様TIMSが普通車の車内はE217系と同じくオールロングシートの車両とセミクロスシートの車両が混在し、基本的なレイアウトもE217系に準じている。なお、初期車の車内案内表示器は一段式だが、次駅案内の他行き先も表示されるように改良されている。トイレは基本編成に3か所、付属編成に1か所設けられ、先頭車のトイレは車いす対応の大型トイレとなった。なお、本形式では汚物処理装置が真空吸引式となった。近郊型タイプは当初小山電車区に配置され、2000年6月から営業運転を開始した。当初は宇都宮線で限定使用されたが、翌年より高崎線にも投入され、更に12月からは湘南新宿ラインを介して東海道本線、横須賀線への乗り入れも開始された。この時点では基本編成もモノクラス編成だったが、2004年からは113系の置き換えを目的に国府津電車区にも導入されることになり、この増備分からは編成に2階建てグリーン車が2両連結されることとなった。併せて小山所属の基本編成にもグリーン車を導入することとなり、捻出された中間車2両はそのまま国府津に配置された新製編成に組み込まれることとなった。なお、この時点で新製された普通車は常磐線用のE231系で採用された機構を反映しており、情報提供装置及び2段式LED、自動放送装置の設置、座席バネの改良がなされている他、扉開閉予告灯も新設されている。グリーン車は当初よりグリーン車Suicaシステムを見据えて製造され、2004年10月の高崎線・宇都宮線を皮切りに同システムの運用を始めた。小山区の115系・国府津区の113系はいずれも本系列によって急速に置き換えが進み、前者は2004年、後者は2006年に撤退した。E231系の近郊型タイプはその後も運用増に伴い増備され、最終的には2007年までに小山・国府津双方で10連91本、5連69本という陣容となり、一大勢力を築き上げた。なお、2006年に増備された車両では更なる改良が施され、グラスコクピットを取り入れている。2015年3月の上野東京ライン開業以降は後継のE233系との混結も行われるようになり、北は黒磯、前橋から南は伊東、沼津に至るまでの広範囲に渡る長距離運転もこなし、主力車両として活躍している。なお、2015年からは機器更新工事が開始されており、特に小山区に導入された初期編成は更新が完了している。

 2015,10,18 宮 原


■Variation
 小山電車区に配置された編成は当初基本編成も含めてモノクラスであったが、2004年以降基本編成にグリーン車を2両組み込み現在の姿となった。

 2014,03,29 西川口
2021/01/17