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1986年登場。製造から20年以上経過し老朽化していた401系や421系の置き換え等を目的に製造された番台である。既に直流近郊型電車として211系の製造が進んでいたため、211系とほぼ同一の車体となった。このため、車体は前頭部を除き軽量ステンレス製となり、車体幅は211系と同様の2950oに拡大している。前面デザインは211系と酷似しているが、こちらは正面の表示器がやや小さいほか、既存車との併結のために電気連結器が採用されていない点が異なる。台車は211系で採用されていたボルスタレス台車を搭載した。これらの点だけ見れば既存車とは全く異なりまるで別形式と言えるが、既存車両との運用共通化を図るため機器構成は既存の415系に準じており、制御方式も抵抗制御方式のままであるため415系の派生区分となっている。車内はトイレ横を除きすべてバケットタイプのロングシートで、この点も211系2000番台に準じた内装となっている。1500番台は国鉄時代には4連21本が製造され、勝田電車区に4連8本、南福岡電車区に4連13本が配備された。なお、勝田配備車は青20号の帯を纏っているが、南福岡配備車は青24号というやや淡い帯色が採用されている。この他編成組み換えに伴う不足補十分として、サハ411-1701号車が勝田電車区に配置されたが、本車のみ車内がセミクロスシートとなっていた。国鉄の分割民営化後もJR東日本が401系置き換えを目的として引き続き本車を新造しており、勝田電車区配置の本グループは、4連21本及びモハユニット2両、2階建て制御車(後述)1両、付随車2両(サハ411-1601、サハ411-1701)の陣容となった。特筆事項として、1991年の最終増備車では、着席定員増加を図るための試作車として、普通車でありながらダブルデッカーを採用した制御車(クハ415-1901)が1両製造されている。なお、1989年以降に製造された車両は広域転配を当初より考慮せず、50Hz専用車として製造されており、実質403系相当の車両となった。JR東日本では常磐線と水戸線で用いられ、特に上野口においては主力車両として活躍したが、E231系の台頭に伴い置き換えが開始され、前述のクハ415-1901(2階建て車両は人気を博したが運用が極めて限定されていた)が先んじて2006年に廃車されている。2007年には415系自体が上野口から撤退し鋼製車を中心に余剰車が発生したが、1500番台は一部を除き引き続き水戸線及び常磐線友部〜原ノ町間で継続使用されることになった。なお、余剰となったうちトップナンバー編成は2008年末に500番台2本と共にJR九州に譲渡され、当時話題となった。残存車はしばらく存置されたが、2014年からはE531系の増投入が始まり、2016年3月のダイヤ改正で全て置き換えられ運用を離脱した。同年6月のさよなら運転で営業運転は終了し、翌年までに全廃となった。他方JR九州では東日本からの譲渡車を含め1本も廃車されずに在籍しており、九州の電化路線各線で使用されている。2005年まではJR西日本での定期運用もあり、小郡(新山口)や宇部新川に乗り入れる運用も存在した。JR九州の1500番台は1997年から屋根上のベンチレーターの撤去が行われており、JR東日本からの譲渡車にも例外なく施工されている。
2013,09,17 いわき |