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あいの風とやま鉄道では、富山県内における新規観光需要の想起とそれに伴う地域振興への寄与を目的に、供食設備を有した本格的な観光列車を導入することとした。この目的により、JR西日本から譲受していた413系3連1本を種車に大規模な改造を施した車両がこの「一万三千尺物語」であり、2018年にJR西日本の金沢総合車両所にて改造が施された。列車名の「一万三千尺」は立山連峰(標高約3000m)と富山湾(海底約1000m)の高低差を表したものであり、唱歌の「アルプス一万尺」も由来の一つとなっている。車体は種車の面影を残してはいるが、各車とも片側の側扉は埋められており、扉跡には側窓が設置された。また立山連峰を望む山側の一部の側窓は、眺望性を高めるために大型固定窓に改められた。外装は「朝日によって色づく立山と富山湾」をイメージしたものとなり、車体全体に立山連峰と富山湾が描かれ、稜線の上部と腰部をオレンジ色とすることで朝焼けを表しつつ、列車名の「一万三千尺」を車体で表現している。車内は3両とも異なっており、富山(上り)方の1号車は海側が2人掛けのボックス席、山側が窓方向を向いたカウンター席を基本とし、扉跡部分に2人掛け及び4人掛けのボックスシートを配したものとなっている。サニタリースペースは本車に設けられたが、種車のものから一新されており、車いす対応の多目的トイレと男性用トイレ、洗面所をそれぞれ独立して備える。中間車は定員外のスペースで、車体の約半分を占める厨房スペースの他、物販カウンターを備えている。また車端部には富山県の特産品を展示するコーナーも有している。泊(下り)方の3号車は海側が4人掛け、山側が2人掛けのボックスシートを基調とした内装となっている。ボックスシートの座席間には大型テーブルが備え付けられ、車内で食事が楽しめるようになっている。各車とも内装材として富山県産の「ひみ里山杉」が多用されており、照明も全て電球色であるため、総じて木の温もりを大いに感じる内装となっている。この「一万三千尺物語」は2019年4月から営業運転を開始した。通常期は富山〜泊間を1往復するコースと高岡〜富山〜黒部間を行き来するコースの2種類が設定され、前者は富山湾の地魚を用いた鮨、後者は懐石料理が提供される。また、時折近隣の第3セクター鉄道とのコラボレーションを行っており、かつてJR時代に乗り入れていた直江津や敦賀にも足を延ばしている。
2026,09,13 富 山 |