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2015年3月の北陸本線からの経営分離に伴い、あいの風とやま鉄道向けの車両としてJR西日本より413系の車両譲渡を受けたものである。あいの風とやま鉄道では521系も2連16本導入されているが、1編成当たりの収容力が521系よりも大きい413系もラッシュ時用として用いられることになり、3連5本が譲渡された。521系同様、車両番号の若い順にAM01〜AM05という編成番号が振られている。413系は元々1986年以降に急行型電車の冷房装置や走行機器を流用し車体を新製した機器流用車であるが、あいの風とやま鉄道に譲渡された車両は2013年に順次体質改善工事が施工されており、その際に台車は新造されている。521系が順次独自の外観に改まっていく点とは対照的に、こちらは全車ともJR時代の外装を堅持しており、青一色の北陸地域色と白地に青帯の入った1世代前の北陸色が混在している状況となっている。前述のとおり体質改善工事が予め施工されていたため、譲渡に際しての変更点はない。521系共々、あいの風とやま鉄道の車両としては経営移管時から使用を開始している。ラッシュ時中心の運用が組まれているため521系よりその姿を見かけることは少ないものの、運用範囲自体は521系と同一であり、IRいしかわ鉄道やえちごトキめき鉄道にも乗り入れ金沢〜糸魚川間という広範囲の運用に投入される。尚、413系自体の投入は比較的短期間が想定されており、置き換え用の521系の導入も既に開始されており、2021年より本系列の廃車が発生している。ただし、置き換えと別に2編成の観光列車への改造も計画され、その計画により1編成が2016年より専用のラッピングが施された簡易改造車「とやま絵巻」となる他、もう1編成は大規模な改造工事が施され、本格的な観光列車「一万三千尺物語」となった。
2016,07,09 小 杉 |