413系
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 1986年登場。富山及び金沢周辺地区におけるフリークエンシー向上を目的に製造された近郊型車両である。同様の目的でその前年には583系改造の419系が導入されていたが、扉を増設したとはいえ幅700oの2枚折り戸であり、輸送力を大幅に向上させた車両ではなかった。国鉄の財政状況では完全新車を導入する余力はなかったことから、471系・473系の走行機器類を流用のうえ、417系に準じた新造車体を組み合わせた車両の投入で輸送力の改善を図ることになり、この413系が導入された。417系に準じた両開き2扉の車体を有し、前面も417系に類似しているが、こちらはタイフォンがカバーで覆われている他、正面の種別表示器が準備工事に留められている等の違いがある。北陸地区への導入のため耐寒耐雪構造となっており、電動車の車端部には雪切室が備えられている。台車、走行機器類は前述のとおり471系・473系から流用されたが、主変圧器は換装された他、主電動機は1ユニットを除いて473系相当のMT54形で統一された(残る1ユニットは471系と同じMT46形主電動機を搭載し、1991年に換装)。なお、471系由来の機器を搭載した編成が0番台、473系由来の機器を搭載した編成が100番台に区分されるが、元々473系が1ユニット2両しか存在しなかったため、100番台も1ユニットのみの在籍である。車内はセミクロスシートだが、扉付近のみならず車端部もトイレ横の1席を除いてロングシートとなっている。座席は種車からの転用によるため、ボックスシートのシートピッチは1490oを堅持している。ロングシートの袖仕切り部分は417系と同様アクリル板による防風板が設けられている。本系列は冷房装置も種車から流用しているため、冷房準備車として落成した417系とは異なり当初から冷房車となっている。413系は国鉄時代のみならず分割民営化後も製造され、最終的には1989年までに3連11本が落成した。なお、このうち2本については付随車・制御車の改造種車不足からクハ412形相当の制御車をサハ455形の改造車で賄うこととなったが、サハ455形は当時製造から15年程度であったため、車体載せ替えではなく車体は流用の上で運転台取り付け、近郊型改造等が施され、クハ455形700番台という区分になった。このため、413系単体としては31両の陣容となっている。この時点で製造が打ち切られたことで、改造種車にならずに残存した471系は機器更新の上で延命することになった。他車に伍して北陸本線全線や湖西線近江今津以北で用いられ、北陸本線の普通列車の主力車両となった。なお、塗装は当初赤にクリーム帯という身延線の115系と同色であったが、すぐにオイスターホワイト地にコバルトブルーの帯を巻いた新塗装に改められ、以降2010年代までその姿を堅持した。2014年からは過半数の編成で体質改善工事が施工され、台車を新造台車に換装した他、転落防止用幌が新設された。内装面でもつり革、手すり、床材の交換等が行われている。2015年の金沢以東の経営移管時には小松以南の定期運用がなくなり、体質改善工事施工済の5編成があいの風とやま鉄道に譲渡されたが、残る6編成は七尾線の415系一部置き換えを目的に七尾線に転用されることになった。金沢地区において415系と共に最後に残った国鉄型車両であったが、521系100番台投入及び車載型ICカードリーダーを用いた七尾線でのICカード利用開始に伴い、2021年3月の改正で全編成とも運用を離脱した。この時点で運用離れた車両のうち、1編成(及びクハ455形1両)がえちごトキめき鉄道に譲渡されている。

 2009,03,10 富 山


■Variation
 2010年から開始された地域単色化の余波を受け、青1色に塗装変更された413系。413系には2012年から5編成に塗装変更が施工されたが、あいの風とやま鉄道に譲渡された車両を除き2015年以降後述の茜色一色への塗り替えが行われた。

 2016,07,09 森 本
 2015年の北陸新幹線金沢延伸に伴う北陸本線の経営移管に伴い5編成があいの風とやま鉄道に譲渡されたが、譲渡されなかった編成については七尾線に転用されることになり、2015年から2017年にかけて順次415系と同色の茜色に塗装変更された。

 2016,07,09 森 本
 米原方にクハ455形700番台を連結した2編成は、いずれも青色一色塗装の後茜色一色塗装に塗り替えられた。

 2016,07,09 東金沢
2021/08/09