250系
トップページ鉄道写真図鑑東武鉄道>250系
 1998年登場。200系の増備によって進んでいた1800系の置き換えを更に推進し、将来の特急格上げ・列車増発の目的も兼ねて製造された車両である。200系の増備車両としての位置付けであり、車体・内装とも前年より製造されていた200系後期車に準じているが、それまで1700系・1720系の廃車発生品が流用されていた走行機器・台車ともに全て新製された点が200系と異なる点であり、この為に形式が分けられている。この走行機器や台車は当時製造が進んでいた通勤型の30000系に合わせられ、東武鉄道の優等用車両として初めてIGBT-VVVFインバーター制御方式が採用されている。台車も30000系のものに準じたボルスタレス式台車が採用されているが、通過駅の多い優等列車として使用する目的から台車にはヨーダンパが増設されている他、歯車比もより高速寄りになっており、更に抑速ブレーキや定速運転機構の設置等、種々の仕様の違いが生じている。外観は200系の後期車に準じているものの、前述の通り制御機器や台車が異なる他、パンタグラフの配置が変わって浅草方2両目がダブルパンタとなり、互いに異なる向きで搭載されている(200系後期車もシングルアームパンタグラフだが、こちらは浅草方2両目・3両目に1基ずつ搭載されており、全て同方向を向いている)。車内は200系に準じており、座席は全て新製されたものが搭載されている。同車の投入によって1800系は急行運用から完全に撤退しており、翌年に「りょうもう」は特急への格上げと速度向上が行われることとなった。同車導入によって所定の本数となったことから以降の増備はなく、結果として250系は6連1本と少数派となっている。200系に混じって特急「りょうもう」に使用されていたが、2022年3月のダイヤ改正に伴う運用減から余剰となり、休車を経て同年6月に廃車された。結果的に東武鉄道の車両の中では比較的短命に終わった形式となった。

 2013,09,29 大 袋


2023/03/12