7000系
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 試作車が1984年、量産車が1986年に登場。近鉄では初の第三軌条路線となった東大阪線(現けいはんな線)用に投入された通勤型車両である。直通路線先である大阪市営中央線の車両と同じく18m4扉車体で新造され、車幅も大阪市交の車両と同様2900mmとしたが、この車両の検査は大阪線の五位堂で行うことになっていたため、大阪線のホームに抵触しないよう他の車両に比べて大きく袖が絞られたデザインとなっている点が特徴的である。このため、通常の営業運転に就く際にはドアにステップが取り付けられており乗客が転落しないように工夫されている。カラーリングはオレンジを基調として側面にはそれにブルーのラインが追加されるという近鉄らしからぬデザインであり、鉄道車両としては初めてとなるグッドデザイン賞を受賞している。制御方式は3200系同様VVVFインバーター制御方式が採用されたが、特に試作車は大阪市営20系に次いでVVVFインバーター制御方式を採用した貴重な存在と言える。尚、制御装置のメーカーは偶数編成が日立、奇数編成が三菱製となっており、それによる形式の変化はない。前述の通り、東大阪線自体が東大阪生駒電鉄と称されていた1984年に4連1本が落成し、試運転を繰り返した後近鉄合併後の1986年から量産車が6両固定編成で落成。この際に試作車も6両編成へと改められている。その後1989年に更に1本が増備され、現在は6連10本の陣容となっている。2004年に後継の7020系が製造されたが、本形式は7020系に合わせた更新工事が順次施行されており、施行された車両は7020系と同等のアコモデーションとなった他行き先表示器の換装やVVVFインバーター装置のソフト変更等がなされ、けいはんな線内への高速運転に対応している。現在も1両の廃車をなすことなく主力車両として活躍している。

 2008,03,14 朝潮橋


■Variation
 ラッピングが施されている7000系。近鉄の他の路線同様にアートライナーとなっている編成も存在する。

 2009,03,15 学研奈良登美ヶ丘
 機器更新が施された7000系。制御方式がIGBT-VVVFインバーター制御方式に改められている他、ATOによる自動運転にも対応し、主幹制御器がワンマンドルマスコンハンドルに換装された他、カメラ投影用のモニタも追設されている。なお、これらの更新工事に関わらず、2024年時点では7000系の行き先表示器がフルカラーLEDに改められている。

 2024,03,09 弁天町
2024/03/20