5800系
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 1997年登場。長距離運用と通勤運用の両立をコンセプトに設計された車両で、2610系の一部編成で試用されたロングシート・回転式クロスシートの切り替えが可能なデュアルシート(近鉄ではL/Cカーと称する)を量産車として初めて採用した。車端部の座席はトイレ前がボックスシートである以外はロングシートとなっているが、デュアルシートと遜色がないようにハイバックシートとなり、ヘッドレストが設けられている。車体及び走行性能は1620系と殆ど変わらないが、前述の座席を採用した他大阪線・名古屋線に投入された車両は長距離運用を鑑みトイレが設けられている。尚、5800系はJRとの対抗上最も多くの本数が奈良線のサービス向上の為同線に比較的多くの編成が投入されたが、同線は距離が短いために奈良線用の車両にはトイレは設けられていない。本系列より後に製造された車両が「シリーズ21」に移行したため、5800系は1981年の8810系より続くデザインで落成した最後の形式であるほか、GTO-VVVFインバーター制御方式を採用した車両も本系列が最後となっている。前述のとおり長距離運用と通勤輸送の両立を図ったL/Cカーを本格採用した点が評価され、1998年にローレル賞を受賞した車両ではあるが、6連7本、4連1本の計46両が製造されたに留まり、その後のL/Cカーは5820系に製造が移行した。京都・奈良線系統に5本、大阪線系統に2本、名古屋線系統に4連1本が配置されており、比較的少数派ではあるが主力車両の一翼として活躍している。尚、2014年までに後継の5820系にあわせた工事が施工されており、当初は設置されていなかった車内案内表示器や転落防止幌が新たに取り付けられている。

 2008,08,06 鶴 橋


■Variation
 帝塚山大学のラッピング車両。このように全面的にラッピングが施された編成も存在する。尚、この編成はこのラッピングのまま阪神との直通運用にも充当されたが、現在は元の塗装に戻っている。

 2008,08,06 鶴 橋
 5800系の奈良線所属車両は全編成阪神への乗り入れ対応改造がなされており、識別の為になんば線の開業直前にステッカーが貼り付けられた。

 2009,03,15 今 里
 奈良線の開業100周年を記念し、2014年に「ヒストリートレイン」として全面ラッピングが施された5802編成。開業時に使用されていたデボ1形をイメージしている。

 2024,10,19 五位堂検修車庫
2024/10/29