1010系
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 1972年に登場した通勤型車両。同時期に登場した1000系同様、旧型車からの機器を流用して新製車体を載せた車両であり、登場時は釣り掛け駆動車両であった。1000系は当初より名古屋線にて使用されたが、こちらは当初920系と称し、京都・橿原線にて使用された。その為、車体も8000系と同様に袖が絞られたデザインとなっており1000系とは印象が異なる。1982年以降高性能化改造がなされており、同時に制御方式が8800系同様の界磁位相制御となった。更に回生制動も行えるようになったことで製造当時に比べ大幅な省エネ化が実現している。この更新の際には冷房装置も取り付けられており、車両性能・サービスとも新型車両に引けを取らないものとなっている。尚、高性能化に際し制御器が8000系から、主電動機が廃車となった10100系から流用されている。これらの改造によって抑速ブレーキも備えることとなった。高性能化改造からしばらくは920系のまま京都・橿原線にて使用されたが、3連運用が減少した事から1987年より順次名古屋線へと転属し、同時に1010系へと形式変更されている。抑速ブレーキを備えており柔軟な運用にも対応できることから、廃車の進む1000系とは異なりこちらは2006年以降に順次B修繕工事も施行されている。加えてワンマン化対応がなされた車両もあることで、支線系統を含む名古屋線にて今後も活躍が続くものと思われる。ただし1012Fは車両火災を2度起こしており、現在運用を離脱した状態となっている。

 2009,03,20 富 吉