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2001年登場。特急「あずさ」「かいじ」に使われていた183系・189系を置き換えるべく製造された特急型車両である。車体はE653系に準じたアルミ合金製車体を採用しているが、メカニズム面では更に進歩し、当時新造が進んでいた通勤型車両E231系で使われている車両情報装置「TIMS」を特急型車両として初めて採用している。尚、本車はE351系と異なり振り子式車両ではないが、最高速度はE351系と同じ130km/hとなっている。車体は白を基調としたもので、中央には菱形のブロック模様が配されておりアクセントとなっている。車内は基本編成の8号車の半室がグリーン車となっている以外は普通席で、普通席のシートピッチは960mmである。また、基本編成の9号車車端部には簡易的な椅子とテーブルを設けたフリースペースが備わっており、特筆できる設備となっている。編成は9両の基本編成と2両の付属編成に分けられており、柔軟な運用が組めるように工夫されている。このうち付属編成の松本方先頭車は営業運転では先頭に出ないものの、機器類は他の車両と遜色のないものが装備されている。この0番台は2002年までに154両が製造され、全車とも松本車両センターに配置された。2001年12月のダイヤ改正より特急「あずさ」で営業運転を開始し、わずか1年で183系・189系の全定期特急運用を置き換えた。以来15年以上にわたり「あずさ」「かいじ」の他、中央・青梅線の通勤ライナーや篠ノ井線の快速としても使用されていたが、2018年からは更に後継となるE353系による置き換えが開始されており、2019年のダイヤ改正で全ての定期運用を失った。なお、一時期は東海道線の湘南ライナー等のホームライナーにも用いられており、小田原まで定期運用を持っていたこともある。大半の車両は2000番台に改造されて「踊り子」に転用されたが、波動輸送に従事する編成も存在し、定期運用では乗り入れなかった日光線や上越線等への入線も行われている。ただし、波動用となった編成も改造のうえ5000番台に改番されたことから、2021年に0番台という区分は消滅している。なお、改造された車両はいずれも大宮総合車両センターに転属されたため、長野地区からE257系の配置はなくなっている。
2008,08,15 上諏訪 |