E131系0・80番台
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E131系0・80番台・500・580番台600・680番台1000・1080番台
 2020年登場。千葉県内のJR線末端区間における輸送力の適正化とワンマン運転による省力化を目的として製造された一般型車両である。首都圏周辺の郊外路線や地方路線における新たな標準車両としての位置づけの車両であり、既に新潟地区に投入されていたE129系をベースとしているが、首都圏周辺では既に4扉が主流となっている線区が多いこと、将来的なホームドアの設置線区への乗り入れを考慮したこと等から、側扉を片側4扉配置としている。そのため、前面デザインはE129系、側面デザインはE235系に準じた折衷様となっている。全車とも総合車両製作所で製造されており、同社の手掛けるステンレス車輌ブランド「sustina」を採用している。0・80番台は制御電動車のクモハE131形と制御車のクハE130形の2両で1編成を組み、単独編成でのワンマン運転を基本としつつ、ラッシュ時等には複数本併結しての運用も考慮されている。帯色は明るい水色と黄色の2色構成となった。前面は黒を基調に、波しぶきをイメージした黄色と水色の水玉模様があしらわれたデザインとなっている。前述のとおりワンマン運転に対応しており、側面には片側2か所安全確認用のカメラが備えられている他、側扉は押しボタン式となった。制御方式はE235系と同様SiC-VVVFインバーター制御方式が採用された他、主電動機に全閉式誘導電動機を採用し、消費電力の低減やメンテナンス性の向上が図られている。この他、イーサネットによる大容量通信を活用した車両情報管理装置を搭載している他、80番台には線路設備モニタリング装置を備えており、これらにより車両や線路の状態を常時監視、予知保全の向上を実現している。車内はボックスシートとロングシートを組み合わせたセミクロスシートだが、ロングシートの比率が高くボックスシートは各車2組の配置となっている。車端部にはフリースペースが設けられた他、制御車のクハE131形には連結面に車椅子対応のトイレが設けられた。なお、線路設備モニタリング装置を搭載する80番台については、機器類の一部を客室内に設置したことから座席配置がやや変わり、一部のロングシート部分が機器室に置き換えられている。車内案内表示器は17インチの液晶表示器となったが、扉鴨居部に1基ずつ千鳥配置されている。車内収受式のワンマン運転は行わないため、運賃箱などの設備は準備工事のみに留められている。E131系0番台は2021年3月のダイヤ改正で営業運転を開始し、併せて内房線君津以南、外房線上総一ノ宮以南及び鹿島線でワンマン運転を開始した(80番台はやや遅れて営業運転に投入されている)。この他成田線成田〜佐原間の一部列車にも充当されるが、この区間ではワンマン運転は当初行われていなかった(2022年3月のダイヤ改正よりワンマン化)。また、この他の線区では営業運転そのものを行わず、幕張車両センターへの出入庫は全て回送扱いとなっている。

 2021,07,06 香 取


■Variation
 線路設備モニタリング装置を備える80番台。編成番号は0番台からの続番で、R11・R12編成と振られている。80番台は客室にも機器室が設置されているため座席数が0番台よりやや少なく、その部分は側窓の幅も異なっている。なお、0・80番台はクモハE131形の前頭部に貫通幌を備えており、複数編成を増結しての運用も可能となっている。

 2021,07,06 成 田
2021/07/22