|
2023年登場。それまで使用されていた205系1100番台の置き換えを目的に、鶴見線に投入された番台である。それまでの鶴見線は他線区からの転用車両が殆どを占めており、同線への直接の新車投入は同線の国有化以降は初の事例となっている(同線の前身である鶴見臨港鉄道が投入された車両以来で、実に80年ぶりのこととなった)。宇都宮線・日光線用の600番台と同様3両で1編成を組んでいるが、本番台は鶴見線の線路限界を反映した結果、袖が絞られていない車体幅2778mmのストレート車体となっている点が特徴である。また、前面はあたかも貫通扉が備えてあるように中央に窪みがついているが、実際は非貫通構造となっている。MC-M-Tcという編成になっているが、中間車は0.5Mとなっており、実質的に編成内のMT比を1:1に揃えている。外装はラインカラーである黄色と沿線の海、運河をイメージした水色の2色帯を巻き、前面の外周も水色に塗装されている他、他のE131系同様前面下部には水玉模様があしらわれているが、この模様はクモハ12形や103系など鶴見線の歴代車両をイメージした茶色と黄色の2色となっている。ハイブリッドSiC-VVVFインバーター制御方式、全閉式誘導電動機、イーサネットによる車輛情報管理装置といった機構については他番台と概ね共通である。車内はオールロングシートとなっており、座席モケットは0番台と同様、背ずりが黄色系、座面が青系のモケットとなっている。各車両とも車端部にフリースペースが備えられており、優先席付近と併せて色覚的に他の箇所と区別されている。車内照明はLED化された他、各扉の鴨居部には液晶表示式の車内案内表示器や防犯カメラ、扉付近には長時間停車時用の半自動扉開閉ボタンが設置された。なお、当初よりワンマン運転に対応しており、側面には車載カメラを備えるが、車内運賃収受式ではないため運賃箱などの設備は設けられていない。更に本番台では妻面の貫通引き戸及び側扉がステンレス無塗装となっており、他の番台に比べてコストの低減が図られている他、乗務員室との仕切りが押戸になり、その点も他番台との差異のひとつである。E131系1000番台は2023年12月から営業運転を開始した。2024年までに3連8本が出揃い、早々に205系を全て置き換えて鶴見線は基本的に本系列の独擅場となった。2024年3月のダイヤ改正からはワンマン運転が開始されている。なお、最後の1本(T8編成)は電動車が1080番台となり、205系から捻出された線路設備モニタリング装置を備えている。
2024,01,28 国 道 |