 |
313系は1999年から2001年にかけて集中的に投入されて103系や165系を置き換えたが、その後2006年からは113系や115系の置き換えを目的に、仕様変更された増備車が追加投入されることになった。5000番台はこの増備車の1つで、東海道本線の新快速・特別快速用として2006年以降に製造された番台区分である。この増備車からは前照灯がHIDおよび白色LEDとなり、種別・行き先表示器がフルカラーLED化されており、それまでの車両とは印象が変わっている。また、純電気ブレーキが導入され、停止直前まで回生ブレーキが効くようになっている。この5000番台は、数ある313系では唯一3M3Tの6両固定編成を組む点が特徴である。また、高速走行時の更なる安定性の向上を図り、ヨーダンパのみならずセミアクティブサスペンションや車体間ダンパなど、東海道新幹線の車両で採用されている機構が奢られており、特別料金不要の車両の中でも非常に高水準な車両となっている。車内はオール転換クロスシートで、扉横、車端部を含め全ての座席が転換可能となった。トイレは米原方の制御車（クハ312形）の車端部に設置されている。元々313系は車椅子対応トイレを設けていたが、内部での転回を可能とするため面積が拡大しており、開閉もボタン式となった。トイレ部分の拡大に伴い、その反対側は車椅子スペースとなり、座席は設置されていない。5000番台は2006年8月に営業運転を開始し、2006年中に6連12本が投入された。2010年以降には更なる増備車が投入されたが、こちらは乗降部付近の床が黄色く着色される、優先席の座席カバーがオレンジ色になる、蛍光灯カバーの色合いが変更される、貫通扉の仕様変更等のマイナーチェンジがなされている。最終的には2013年までに6連17本が製造されているが、本番台の投入による一連の転配等により、113系や115系、117系等の置き換えが進められた。本番台は一貫して大垣車両区に配置されており、東海道本線浜松〜米原間（2024年までは掛川まで運用あり）で主力車両としての活躍が続いている。なお、2017年に2両が踏切事故で大破しているが、その分は2019年に代替新造が行われている。 2025,02,09 刈 谷 |