 |
313系は1999年から2001年、2006年から2007年と集中的に投入されて国鉄型車両の置き換えが進められたが、それ以降も残存していた117系・119系の置き換えを目的として、2010年以降も更に313系を投入することとなった。1300番台はこの際に増備が開始された、313系の中でも最後発にあたる番台区分のひとつである。この番台は1M1Tの2両で1編成を組んでおり、制御電動車には製造当初からシングルアームパンタグラフが2基備えられている。車内は扉間が転換クロスシート（扉付近のみ固定）、クモハ313形の車端部がロングシートという配置となっている。製造当初から優先席付近のつり革がオレンジ色となっている。初期に製造された4本を含む8本（編成番号がB400番台）はワンマン運転が準備工事、かつ寒冷地・勾配対策は施されていない状態で神領車両区に配置され、中央西線名古屋口の増結用途となった。なお、1700番台のように発電ブレーキは搭載しており、発電ブレーキ用のブレーキチョッパ装置、抵抗器を備えている。2011年に製造された編成（編成番号がB500番台）からは、同じ神領車両区配置ながらワンマン運転に当初から対応し、車内には整理券発行機やJR東海では初採用となった液晶の運賃表示器、運賃箱がそれぞれ設置されている。また寒冷地・勾配対策が施され、排障器にスノープラウが搭載されている他、セラミック噴射装置を備えている他、側扉付近には半自動扉開閉用の押しボタンが設けられている。押しボタンは既存車両と形状が変わり、同時期に製造されたキハ25形と同一形状となった。これらの編成の投入により、それまで中央西線中津川以北や関西本線で用いられていた313系3000番台及び関西本線を主体として運用されていた213系が飯田線に転用され、119系が置き換えられている。その後武豊線の電化開業に先立つ形で2014年から翌年にかけて、車内照明のLED化、尾灯のクリアテール化等のマイナーチェンジが施された増備車が8編成増備され、1300番台としては総勢32本の陣容となり、313系の中でも最も編成数の多い番台区分となった。また2015年製の車両を以て、長きにわたり続けられた313系の増備が終了している。前述のとおり、当初は全編成とも神領車両区に在籍していたが、その後315系の投入による転配により、B400番台の編成については先んじて2020年以降セラミック噴射装置やワンマン運転対応機器の追設等が行われ、2023年からは静岡車両区に転属し211系を置き換えている。B500番台の編成も一部が大垣車両区に転出し、213系を置き換えている。JR東海の各線で用いられる他、塩尻や辰野からJR東日本管内にも乗り入れており、運用範囲が非常に広い番台区分となっている。 2015,01,01 塩 尻 |
