121系
トップページ鉄道写真図鑑JR通勤・近郊・一般型電車>121系
関連リンク7200系
 1986年、翌年3月に控えた高松〜坂出及び多度津〜観音寺・琴平間の電化開業に際して製造された近郊型電車であり、国鉄が四国向けに製造した唯一の電車である(当時、本四備讃線の乗り入れに伴う宇多津駅高架化改良工事のため、坂出〜多度津間は暫定的に非電化のままとなっていた)。車体は同時期に製造されていた通勤型電車である205系に準じた軽量ステンレス製のものであり、前面中央部に貫通扉を有することから、前面のデザインは207系900番台をベースとしている。ただし下回りやパンタグラフはコスト削減の観点から廃車発生品を利用しており、制御方式も抵抗制御となっている。尚、ブレーキは205系と同じく電気指令式ブレーキが採用された。車内は通常の近郊型車両と同じくセミクロスシートであるが、ボックスシートの形状が他の車両に比べて異なる。また側窓は一見すると下降式に見えるものの上昇式となっている。しかし、この仕様により同車は瀬戸大橋線で使用することができない。尚、もともと近距離運用を前提に造られているため、車内にトイレは設けられていない。当初は現在の京葉線と同じく赤14号のラインを纏っていたが、JR四国発足後にコーポレートカラーへと変更されている。2連19編成38両が製造され、電化区間の拡大に伴い愛媛県にも乗り入れるようになった。尚、新居浜までの電化に際しては、愛媛県内にある狭小トンネルへの通過対応を図るべくパンタグラフが交換されている他、MGのSIVへの交換、半自動扉用の押しボタンの設置等の後天的改造も施されている。6000系や7000系と言った後継車両も登場しているが、現在も1両の廃車もなく高松〜琴平・伊予西条間にて使用されている。2011年からはワンマン化改造を含めたリニューアル工事が順次施行されており、施行車はスカート取り付けと同時に登場時と同じ赤14号へと戻っている。なお、2015年のリニューアル工事からは台車・走行機器の換装もなされており、合わせて形式も「7200系」へと改められている。このため、このリニューアルは漸次進められ、2019年までにワンマン化改造された車両を含め全ての121系が7200系に改番されており、この時点で121系としては形式消滅となった。

 2005,08,09 新居浜★


■Variation
 リニューアルの施された121系。未施行車との区別もあり、帯色が登場時の赤14号に戻されている。この他、スカートの新設や方向幕の交換、ワンマン化対応に伴うドアセンサー・ドア開閉表示器・ドアボタンの新設といった改造がなされており、印象が変わっている。内装の基本的なレイアウトは従来からさほど変わっていないものの、ワンマン化対応に伴う運賃箱や運賃表示器の設置、車椅子スペースやドアチャイム・開閉ランプの設置等、未施行車と比較するとサービスレベルの向上が図られている。121系のうちこの改造が施されている編成は2編成のみで、以降のリニューアルは7200系への形式変更を伴うものとなった。この改造車も2018年から翌年にかけて7200系への改造が施されている。

 2013,12,31 多度津
2019/08/31