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元々JR四国には113系は在籍していなかったが、主に瀬戸大橋線への直通に充当されていた111系の老朽化が進み、置き換えが急務となっていた。JR四国では1996年に6000系を投入し一部の111系を置き換えていたが、製造コストの問題もあり3連2本の増備のみにとどまっていた。そこで、JR東日本の113系を購入・リニューアルの上、111系の置き換えに充てることとした。これにより、JR四国にも113系が在籍することとなった。国府津・幕張に在籍していた15両が譲渡され、このうち12両が4連3本に組成され、残りの3両は部品取りとなった。譲渡に際しては、内外装とも大規模なリニューアルが行われた。前面は既存の灯具・タイフォンが一掃され、方向幕があった位置に角型前照灯が取り付けられ、更に左右の窓下に前照灯・尾灯を配し、行き先表示器は貫通扉窓下に移設された。走行機器類は既存のものの流用が大半を占めているが、補助電源装置は従来のMGからSIVに換装された。車内は6000系に準じた内装へと改められ、扉付近・車端部を除きすべて転換クロスシートとなった。天井部分も蛍光灯カバーが取り付けられた。また113系では唯一、扉鴨居部に車内案内表示器が取り付けられた他、ドアチャイムも装備された。乗務員室背後には車いすスペースも設けられているが、トイレについては大きなリニューアルは行われず車いす対応とはなっていない。またモハ112形の車端部の一角に簡易乗務員スペースが設けられており、これはJR四国の車両にしか見られない特徴である。なお、JR四国では改造に際し車番を1から振り直しているが、他線区の113系と異なり制御車も新たに「クハ113形」「クハ112形」という形式が与えられた(通常113系の制御車は『クハ111形』となる)。電動車ユニットについては過去に振られていた車両は存在するが、改番ないし廃車により番号の重複は発生していない。JR四国の113系は2000年に2本、2001年に1本が営業運転を開始し、その時点で111系をすべて置き換えた。以降瀬戸大橋線とJR四国を直通する普通列車ではJR四国側がすべて113系による運用となり、主力車両の一翼として活躍した。2016年のダイヤ改正では瀬戸大橋線運用から撤退し、それ以降は高松〜琴平・伊予西条間でラッシュ時を中心に使用されていが、2019年3月のダイヤ改正で全車両とも運用を離脱した。
2015,05,03 岡 山 |