03系
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 製造から60年近く経過し老朽化している8000系の置き換えを目的として、2020年に導入された車両である。浅野川線では1996年の昇圧に際して導入された8000系以来実に24年ぶりの新形式車両となった。種車は東京メトロ日比谷線で使用されていた03系で、JR西日本金沢総合車両所でJR西日本テクノスにより改造が施された(メトロ車両からの請負での施工)。改造内容は熊本電鉄の03形に類似しており、制御車のみで2連を組むことから内灘方先頭車(03100形)の電装化及び電装化した車両への集電装置の追設(菱形パンタグラフ2基)が行われている。この他車両情報装置の撤去及び主幹制御器のT型ワンハンドルマスコンへの換装、保安装置の北陸鉄道仕様への変更、ワンマン運転装置の取り付けに伴うワンマン運転への対応等が挙げられる。こちらは行き先表示器がフルカラーLEDに換装された他、北陸鉄道仕様のアンテナが前面に取り付けられ、前面下部にはスノープラウを装着。更に帯色が灰色から北総鉄道のコーポレートカラーであるオレンジに変更されており、総じて他の03系譲渡車両とは印象を異にする(一部編成は日比谷線カラーで営業運転に投入されたが、後に帯色が変更されている)。制御方式はIGBT-VVVFインバーター制御方式で、北陸鉄道の車両では石川線を含め初のVVVFインバーター制御車両となった。なお、主電動機及び空調装置は、東京メトロ時代末期に修繕工事を受けていた03系の廃車発生品が流用されている。車内はオールロングシートで種車時代から大きく変化はしていないが、床材の貼り替えや車内照明のLED灯への換装がなされている他、運賃表示器やデジタルサイネージ等、整理券発行機のワンマン運転対応機器やICカードリーダーが追設されている。北鉄金沢方先頭車の車端部には車椅子スペースが新設され、パネルヒーターも備えられた。また、中間扉を除いて半自動開閉用尾の押しボタンが設置され、空調使用時の車内保温保持が図られている。なお、扉上の車内案内表示器は東京メトロ時代末期に修繕工事を受けていた他編成の廃車発生品に換装され、引き続き使用されている。03系はまず1編成が改造された金沢総合車両所から内灘駅構内に2020年1月に搬入され、同年12月から営業運転を開始した。以降も増備が進んでおり、最終的には2連5本が投入されて8000系を一掃する予定となっている。

 2022,06,17 蚊 爪〜粟ヶ崎


■Variation
 2023年3月末に営業運転を開始した第4編成は東京メトロ時代と同じグレー帯のまま運用されている。差異はあるが、熊本電鉄の03形に近い姿となっている。

 2023,07,31 七ツ屋

2023/08/02