700形
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 1998年登場。上毛電鉄では1990年代初頭から元東武3000系列を導入し、車種統一を図っていたが、いずれも非冷房かつ釣り掛け駆動方式の旧性能車であり、およそ同年代の車両水準からは見劣りし、老朽化も進んでいた。そこで冷房付きの高性能車を導入することで更なる体質改善を図ることになり、導入された車両がこの700形である。冷房車・高性能車とも上毛電鉄では初の導入となった。元は京王3000系で、2連8本16両が2000年までに導入された。京王3000系の他社への譲渡例には、制御車を電装化して導入する例(北陸鉄道等)や中間車に運転台を取り付けて編成を組む例(アルピコ交通等)の2パターンがあるが、上毛電鉄では編成によっていずれの改造も行われている。中間車に運転台を取り付けた編成も、形状はオリジナルのものに極力近づけているが、通風口がないなどの差異も見受けられる。なお、京王時代とは尾灯と標識灯の位置が逆になっており、尾灯が下部に移設されている。また、主幹制御器については廃車発生品に換装されている。制御車の電装化に際しては同時期に廃車された京王6000系初期車の発生品が流用されており、いずれも抵抗制御方式となっている。車内はロングシートで基本的に種車の面影を残しているが、ワンマン運転への準備工事が予め行われており、自動放送装置の設置やワンマン運転用の機器が搭載されている。それ故、先頭部については座席が撤去されており、その部分に運賃箱が設けられている。700形は前述のとおり2000年までに16両が導入されており、その時点で上毛電鉄の定期運用は同形式に統一されている。なお、1999年からは基本的に全列車でワンマン運転が開始されており、総じて700形はサービス向上と車両の高性能化、合理化に寄与したといえる。登場からしばらくはFRP部分の塗装は全編成ともフィヨルドグリーンとなっていたが、2005年からはかつて在籍していた井の頭線に倣って各編成とも違う塗装に変更されており、第1編成以外は全て異なる塗装へと変わった。現在も全編成とも在籍しており、主力車両として活躍している。

 2015,12,19 赤 城


■Variation
 第2編成はロイヤルブルーに塗装されている。なお、デハ712号車の種車であるクハ3758号車は1988年の踏切事故の該当車で、修復に際し車体を新製しているが、同時期に製造された車両に合わせ軽量ステンレス製となっており、雨どいが露出せずコルゲートの数が少ない等、他車とは形状が異なっており大きな特徴となっている。

 2015,12,19 新 里
 第8編成はゴールデンオレンジに塗装されている。現在は本家井の頭線でも同色に類似した「オレンジベージュ」の車両が現れており、その色に比較的類似しているといえる。

 2011,12,27 大 胡
 第7編成はミントグリーンに塗装されている。700形のうち3編成は中間車が種車となっており、運転台部分は新設されている。上部はオリジナルと同じくFRP製となっているが、下部は普通鋼製となっており、通風口が取り付けられていないなど、やや差異がある。また、冷房装置は全て集中式となっており、その点も差異の一つといえる。

 2015,12,19 新 里
 第5編成はジュエルピンクに塗装されている。この編成も種車は中間車となっている。

 2015,12,19 中央前橋
2016/08/22