5f 福井鉄道F1000形


F1000形
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 2013年登場。福井鉄道では2005年以降、名鉄から路面電車タイプの車両を譲受・導入することで車両の近代化が図られたが、ラッシュ時には収容力が不足することから大型車の200形610形が残存し、通勤・通学輸送にあたっていた。200形は製造から50余年が経ち老朽化が進んでいたため、大型車両に匹敵した収容力を有する低床新型車両を導入することで置き換えることとなった。これにより製造された車両がF1000形で、公募により「FUKURAM」の愛称をもつ。他社からの譲受車両が過半数を占めていた福井鉄道では、この200形以来実に53年振りとなる自社発注車両である。万葉線のMLRV1000形や富山ライトレールの車両と同じくアドトランツ社のライセンスを元に新潟トランシスで製造されたLRVだが、同社で製造されたLRVとしては初めて、台車のある中間車を繋いだ全長27m級の3車体連接車両となっている。全体的なデザインは他の新潟トランシス製LRVと類似しているが、前面は釣り目状になったライト周辺のデザイン等、福井鉄道独自のものとなっている。第1編成の塗装はオレンジを基調に下部がシルバーとなっているが、これは複数案の中から公募で決められている。駆動方式・制御方式はそれぞれ他の新潟トランシス製LRVと同じく車体装架直角カルダン駆動方式・IGBT-VVVFインバーター制御方式が採用されている。また弾性車輪を導入することで防音・防振対策がなされている。なお、VVVFインバーター制御装置はダイオードに炭化ケイ素素子を採用したハイブリッドSiCモジュールが導入されており、新造車両としては日本初の導入である。車内はセミクロスシートであり、オフホワイトと青を基調とした清潔感のある内装となっている。尚、車内灯は福井鉄道で初めて全てLEDとなっている他、半自動開閉機能が備えられており、側扉には押しボタンがついている。前述のとおり27m級の連接車両であり、且つ車幅が他の新潟トランシス製LRVと比べて200mmも拡大されていることもあり、乗車定員は155名と5両連接車の広島電鉄5000形よりも多く、現状では日本で一番収容力のあるLRVとなっている。2014年にはローレル賞を受賞した。2015年にはマイナーチェンジが施された第2編成が投入されたが、こちらは水色を基調とした塗装になっている。F1000形は2016年までに4編成が製造されており、200形・610形をすべて置き換え一躍主力車両に躍り出た。また、第1編成と第2編成は2016年3月より、第3編成・第4編成は2017年より田原町よりえちぜん鉄道三国芦原線への直通運用にも充当され、鷲塚針原まで乗り入れるようになっている。

 2015,03,28 越前武生


■Variation
 えちぜん鉄道に乗り入れた第1編成。かねてより計画されていた福井鉄道とえちぜん鉄道の相互乗り入れは2016年3月に実現し、同月のダイヤ改正より越前武生からえちぜん鉄道三国芦原線の鷲塚針原までの直通運転が開始された。福井鉄道では当初F1000形のうち第1・第2編成と770形が直通運転に充当されていたが、えちぜん鉄道への直通に際してはSRアンテナが増設されている。

 2016,07,10 日華化学前
 2015年に導入された第2編成。車体色はブルーとなっており、第1編成とは印象が異なる。同編成では座席の改良や手すり位置の変更など、細かな改良が施されている。一時期脱線事故で運用を離脱していたが、現在は運用に戻っており、アンテナの増設もなされていることからえちぜん鉄道との直通運転にも用いられる。

 2016,07,10 越前武生
 2016年3月に営業運転を開始した第3編成はライトグリーンを基調に塗装されているが、これは当初のデザインコンペに挙がっていた塗装のうちの一つである。直通運転開始直前に製造された車両ではあるが、当初は同編成は直通運転には対応せず、SRアンテナは先頭車に1基のみの搭載となっていた。2016年末に営業運転を開始した第4編成は桜色を基調に塗装されており、こちらもえちぜん鉄道への直通運転には用いられなったが、現在は全てえちぜん鉄道への直通に対応し、鷲塚針原までの乗り入れ運用にも充当される。

 2016,07,10 福井駅〜市役所前
 2016年12月に営業運転を開始した第4編成。この編成も製造当初はえちぜん鉄道への乗り入れに対応していなかったが、翌年に直通運用に対応している。外装は桜色を基調に塗装されているが、2024年時点では大河ドラマのフルラッピングが施されており、印象が変わっている。

 2024,06,01 花 堂

2024/08/04