200形
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 1960年登場。福武線の急行用車両として製造された自社発注車両であり、福井鉄道では初めてとなる全金属車体、平行カルダン駆動方式の高性能車両である。日本車輌で製造された初期のカルダン駆動車などに見られたデザインを踏襲しているが、軌道も走行することから前面には排障器を設け、更に2両3台車の連接車体となっている点が特徴的だ。車内はボックスシート主体のセミクロスシートであり、平行する当時の国鉄北陸線の車両を凌駕するほどのアコモデーションを誇る。1962年までに2連3本の6両が製造され、300形登場までは唯一の高性能車として急行運用を中心に活躍し、正に福武線の花形車両であった。1985年以降に冷房つきの急行用車両300形が登場すると急行運用からは殆ど退いたが、同時期に本形式も冷房化やシートピッチの改善もなされており接客設備としては300形に引けをとらないものとなった。定員が低床車よりも多く、更に自社発注車であるという点から2006年の低床車導入後も全編成が残り、主に乗客の多い朝夕を中心に使用された。急行運用も存在し、往年の急行用車両としてその存在感を示していたが。2013年から超低床の新型車両F1000形を投入しており、その増備により本形式は順次淘汰されていった。これにより2015年には廃車が発生し、最後まで残った203編成も車両故障により長期に運用を離脱したまま、現役を退くこととなった。この203編成については静態保存が予定されている。

 2009,03,13 市役所前


■Variation
 1960年に最初に製造された第1編成。2006年以降は車体広告車になる前に塗装されていた、1世代前の福鉄標準色に塗られている。尚、当初は広告のラッピングの上から塗装されているため、うっすらとではあるが車体広告の文字が浮かび上がっていたが、2011年の検査後はほぼ消失している。この編成は2014年以降運用を離脱しており、2015年1月には200形で最初に廃車解体された。

 2011,08,03 田原町
 1962年に製造された第3編成は、2007年に登場時に近い塗装に塗り替えられている。更に往時の急行ヘッドマークを模した社名入りヘッドマークが取り付けられており、冷房が搭載されているなどの差異はあるものの往時を偲ぶことが出来る。

 2009,03,13 福井新
 安住の地を得た第3編成。長らく北府の車両基地に留置されていたが、越前市が実施した「北府駅鉄道ミュージアム整備事業」の一環で再整備のうえ、北府駅近くに屋根・プラットホームを設けた状態で静態保存された。再整備に際し、塗装は製造当時の色味を忠実に再現した他、急行ヘッドマークも取り付けられたが、後年設置された冷房装置、方向幕、ワンマン運転用バックミラーはそのまま残された。これらの整備はクラウドファンディングにより実施されている。

 2023,07,31 北 府

2023/08/04