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1988年登場。接客設備が陳腐化した7000系の置き換えを目的に製造された車両である。1986年に登場した9000系をベースとしているが、こちらは日比谷線への直通運転を考慮に入れており、18m3扉車体となっている。東京急行電鉄にとって、改造ではない18m級車両の新形式車両は1967年の7200系以来およそ20年ぶりのことであった。前面のデザインは9000系に準じているが、こちらは上部にある各表示器類の周囲が黒くなっており、一体的な印象を与えるものとなっている点が特徴である。車内はオールロングシートとなっており、9000系のようなボックス席は設けられていない。制御方式は9000系に続きGTO-VVVFインバーター制御方式を採用したが、こちらはメーカーが東洋製となっている他、1個の制御器で8つの電動機を制御する1C8M方式が新たに採用されている。1000系は8両編成のグループと4両編成のグループ、そして3両編成のグループに大別することができる。最初に登場した8連の編成は東横線と日比谷線の直通運用を目的に製造されていて始めから東横線にて使用されているが、4連の編成は東横線と当時存在した目蒲線で兼用可能となっていた。この編成は1000N系と区別されており、目蒲線運用時は4連、東横線では2本を連結した8連での運用が考慮された結果、中央部に貫通扉を設けた先頭車も製造された異色の存在である。1991年から製造された3連のグループは1000N'系と更に細分化されており、当初より池上線への投入を目的としている。登場時は池上線で実に63年ぶりの新車直接投入となったことから話題となった（ただし一部は当初4連で落成し目蒲線で使用され、池上線の拡幅化対応がなされた後正規の編成に組み直して転属している）。1992年までに総勢113両が製造された1000系は、18m級車両の新たなスタンダードとして、東横線や池上線、そして目蒲線から系統分離した多摩川線において主力車両として活躍を続けた。尚、4連を組んでいた1000N系は途中で編成替えがなされており、8両固定編成1本・3連2本、そして保留車2両に分けられている。後継となる7000系の台頭に伴い、製造から20年弱の2007年からは編成単位での廃車が発生しているが、一部車両は上田電鉄と伊賀鉄道に譲渡されており、同地において主力車両として活躍している。また2013年3月の日比谷線直通廃止を以て8両を組む編成が全て運用を離脱しており、一部の車両が改造の上で3連に組み直されて池上・多摩川線に転属している他、新たに一畑電車に移籍する車両も現れた。なお、残存車のうち一部は2015年以降にリニューアル工事が施工されている。
2008,07,24 多摩川 |
