|
2016年登場。昇圧時より四半世紀以上に渡って活躍してきた7000系の置き換えを目的に導入された車両で、7000系以来となる新型車両である。元は東急1000系で、東横線で日比谷線直通運用に使用されていた車両の中間車が種車となっている。中間車からの改造のため、運転台が増設されているが、同部分の造形は一畑電車1000系の第3編成に準じたものとなり、3枚窓配置で中央にLED式の行き先表示器を設け、その左右に配された前照灯・尾灯はLED灯が採用されている。尚、一畑電車の車両に見られる貫通扉を模したデザインは施されていない。制御方式は東急時代と変わらず、福島交通では初となるGTO-VVVFインバーター制御方式である。外装デザインは東北出身のデザイナーである小松大希氏が手掛けているが、「GOOD TRAIN いい電」がコンセプトとなっており、そのコンセプトにより選定された3色の帯が配されている。前面はダークブラウンを基調にその下に「ピーチフラワー」のラインが配されている。側面は元々赤いラインが入っていた部分にダークブラウン・「ピーチフラワー」・シャンパンゴールドの3色のラインが配された。また、前面には同じく小松大希氏がデザインした大型のヘッドマークが取り付けられている。車内のレイアウト・モケット色等は東急時代のものを基本的に踏襲しているが、乗務員室背後に大型の液晶表示器を設置した。この他新たに2か国語に対応した自動放送装置が設けられ、車端部には車椅子スペースが設けられるなど、総じて7000系よりも大幅にサービスアップしている。尚、7000系の冷房改造車と異なり当初より屋根上に冷房装置が搭載されていることもあり、乗車定員は7000系冷房改造車より増加している。この他、車端部に飯坂温泉の「のれん」を設け、窓には飯坂温泉の四季を表したイラストとマスコットキャラクター「ももりん」「ブラックももりん」のイラストが貼り付けられた。更に壁に飯坂温泉の地図が貼り付けられるなど、通勤通学のみならず飯坂温泉への観光輸送を多分に意識した「遊び心」あるものとなった。1000系は従来の7000系と同一両数の導入が計画され、先んじて2016年に2連1本・3連1本がそれぞれ導入され、2017年4月より営業運転を開始した。2019年3月までに2連4本・3連2本が導入され、7000系を全て置き換えた。これにより、現在の飯坂線は1000系の独擅場となっている。
2017,06,25 桜 水 |