8000形
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 1956年登場。各線に残存していた木造車両の置き換えを目的に製造された車両である。車体は普通鋼製であるものの、当時都電の縮小が計画されたことから、10年程度の使用で廃車しても差し支えないように設計された。それにより徹底した軽量化や工法の簡素化が図られており、2年という短期間で131両という大所帯に成長している。尚、一部車両は集電装置や側扉等の仕様が変更されている。安価に製造された経済車両ではあるものの、中央に二段窓、その左右は角度をつけて開閉可能な細長い窓を配した「三面鏡」のような前面スタイルは他社の路面電車車両にも影響を与えており、函館市電710形富山地方鉄道7000形等同車に類似したデザインが採用されつつ現在も主力として使用されている車両も存在する。前述の通り1957年までに131両が登場した8000形は杉並線以外の各線で使用されたが、振動が大きく乗り心地が比較的悪かったことであまり歓迎はされなかった模様である。当初計画通り都電の縮小が開始されたことから1969年以降路線の縮小に伴って廃車が進み、1972年までに全車廃車された。現在は8053号車のみ台車も含めた完全な形で残存しており、千葉県八千代市の喫茶店「トレインカフェ」として活用されている。尚、現役当時は黄色地に赤帯が巻かれた姿であったが、「トレインカフェ」では塗装が変更されている。

 2013,02,10 トレインカフェ