C11形325号機
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東武C11形:123号機207号機・325号機
 2017年8月より鬼怒川線で運行を開始した「SL大樹」は、当初JR北海道より貸与されたC11形207号機のみが牽引にあたっていたが、安定的なSL列車運転の目的から、自社で所有するSLを増備することとなった。これにより、まず北海道江別市内で静態保存されていた元雄別鉄道のC11形1号機を譲受のうえ動態復元をすることが決定したが、更に真岡鐵道で使用されていたC11形325号機も譲受の上で「SL大樹」の牽引機にすることも決まった。このC11形325号機は真岡鐵道2機目のSLとして1998年に動態復元されたもので、真岡鐵道の「SLもおか号」を中心に使用されたが、時折JR東日本にも貸し出され、東北地方や信越地方など、各地でSL運転を行っていた。同機は「SLもおか号」の利用者減少及び維持費用の増大から2019年12月に真岡鐵道での運行を終了したが、他所での継続運用を希望する芳賀地区広域行政事務組合により入札公告が行われ、これに東武鉄道が応札することで同社への移籍が決まった。東武鉄道への譲渡に際しては、JR東日本の大宮総合車両センターで重要部検査が行われており、検査の後2020年7月に東武鉄道に入線し、保安装置対応やアンテナ設置、尾灯増設等の各種改造が行われた。東武ATSは207号機と同様車上装置を搭載したヨ8000形を連結し、ジャンパ連結器を介して作動する仕様となり、東武線内での本線運転はヨ8000形の連結が必須となっている。なお、東武鉄道への入線に際しては従来の車両搬入と異なり栗橋駅構内の連絡線を経由しての入線となった。従来搬入に用いられていた秩父鉄道三ヶ尻線の一部廃止を見据えた措置で、以降の車両搬入は栗橋駅の連絡線を介した授受に移行している。2020年12月より「SL大樹」の牽引に充当されており、同機の運用開始以降は最大4往復「SL大樹」が運転されるようになった他、「SL大樹ふたら」として東武日光への乗り入れも開始されている。

 2021,11,28 下今市


2021/12/10