413/455系
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 えちごトキめき鉄道の新たな観光資源とすべく、2021年3月のダイヤ改正を前に運用を離脱したJR西日本の413系(B06編成)3両と、クハ455形(B04編成の制御車)1両を譲受したものであり、同社の車両としては初の交直流電車である。いずれもJR時代の末期は七尾線を中心に使用されていたが、後継となる521系100番台の投入によりお役御免となっていた。えちごトキめき鉄道への譲渡に際しては、塗装を茜色一色からかつて交直流急行型電車が纏っていた赤13号とクリーム4号のツートンカラーに変更し、ボックスシートに仮設テーブルが設置できるよう改められた他、保安装置を換装しATS-Psへの対応がなされている。「昭和時代の鉄道旅の再現」を主眼としているため、あいの風とやま鉄道の「一万三千尺物語」のような大規模な改造は施されていない。制御車は元B06編成と元B04編成で差し替えられているが、元B06編成の制御車(クハ412-6)もえちごトキめき鉄道に譲渡されており、直江津駅構内に開業した「直江津D51レールパーク」にて展示されている。この413系・455系は、金沢総合車両所での整備の後2021年4月に直江津に甲種輸送され、各種訓練、試運転の後7月より一般営業運転を開始した。通常の営業運転日には「観光急行」として直江津〜糸魚川、直江津〜市振間を各1往復するほか、乗車券のみで乗車できる「快速」として、直江津〜妙高高原間でも1往復する。同列車を用いた食事つき旅行プランや終日乗車プランも展開されており、新たな観光の目玉としてその存在感を示している。現時点では、2022年度まで営業運転を継続する予定となっている。

 2021,12,05 直江津


■Variation
 市振・妙高高原方の先頭にたつクハ455-701。413系の竣工にあわせ、当時車歴の比較的浅かったサハ455形に近郊型化及び先頭車化改造を施したものである。近郊型化改造を受けているためデッキが撤去され一部がロングシート化されている等の変化はあるが、2021年現在「国鉄急行型電車」というカテゴリに於いて、稼働状態にある最後の1両であり、非常に貴重な存在となっている。なお、413系やクハ455形700番台は前面の種別表示器を準備工事に留めており、本設されることなく後年は埋められていたが、往時の急行列車を再現するため、白Hゴムとステッカーにより往年の急行表示が再現されている(方向幕ではないため、急行表示で固定されている)。

 2021,12,05 直江津
 クハ455形と差し替えられたクハ412-6。こちらも国鉄急行色に塗り替えられ、直江津駅構内の扇形庫にある「直江津D51レールパーク」にて保存されており、売店として用いられている。

 2021,12,05 直江津D51レールパーク
2021/12/05