1991年登場。名鉄では前年の1990年から、1000系を使用した特急列車に乗車券のみで乗れる自由席車と指定券の必要な指定席車両の連結運転を開始したが、当初は両者間での通り抜けができず、誤乗の恐れもあった他、車両性能を自由席車側に合わせることで1000系の性能に制限が生じていた。そこで1000系の一部車両を2両組成とし、そこに1000系と同等性能の新造自由席車を組み合わせることで1編成を組成するという計画が立てられた。これにより自由席車側の車両として新造されたものが1200系である。全長18〜19m級の両開き3扉車だが、1000系と同一の編成を組むことから塗装は1000系のそれと同一となり、前面への大型曲面ガラスの採用やライト配置・愛称表示の意匠統一等、全体的なデザインも1000系と似通ったものとなっている。制御方式は1000系と同一のGTO界磁チョッパ制御方式で、設計最高速度も1000系に合わせ130km/hとなっている。これにより同一編成内で自由席・指定席(後の特別車)間相互の通り抜けが可能となった他、特急の常時最高速度120km/hが実現している。車内は当時製造されていたJR東海の311系に似た転換クロスシートで、着席定員向上のため扉付近には補助椅子も設けられた。車端部には車内案内表示器が設けられており、1000系のものと同じく文字放送も流れる。尚、同一編成を組む1000系は、4両1編成を2両に分割する手法が取られたため、車両によってはトイレ・車掌室の有無で違いが生じていた。この差は1200系にも反映されており、1000系にトイレのついている編成の車両は3号車(岐阜方1200系先頭)の車端部には車掌室が、1000系に車掌室のついている編成には逆に1200系側にトイレが設けられている。名鉄ではこれをA・B編成とそれぞれ区別しており、車号の付番方法も変わっている。1200系は1992年までに48両が製造され、1000系と組み合わせた6連12本の陣容となった。尚、1992年製の車両は同年に製造された機器流用車1230系と同じく車椅子スペースが設けられている。以降、本線系統の特急を中心に、空港線開業後の一時期は豊橋〜中部国際空港間の特急にも充当された。2015年から車両のリニューアルが行われることになり、更なる活躍が期待される車両である。 2014,06,07 河 和 |