1000系
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 1988年登場。名鉄の東西直通運転40周年を記念して製造された特急型車両で、「パノラマSuper」の愛称を持つ。既に1984年には展望室を有する全車指定席の特急型車両である8800系が登場していたが、8800系が観光輸送に特化し特別料金を必要としていたのに対し、こちらは本格的な特急型車両ではあるが7000系の正統派な後継車両となる汎用型車両として製造されている。車体は普通鋼製で、白地に赤い帯を巻いた姿は8800系と共通するが、こちらは白地の部分がより明るい白色に塗装されている。先頭車の前面部分は2階部分に客室、1階部分に乗務員室を備えており、これにより展望席からの前面展望を可能としている。この構造も8800系の特徴を引き継いでいるが、こちらは大型曲面ガラスが採用され丸みのあるデザインとなったことから、より流線型の形状が強調されている。制御方式は6500系で実績のある回生制動併用のGTO界磁チョッパ制御方式が採用された。高速運転向けの歯車比となっており、ブレーキの増圧がされた結果1990年からは最高時速120km/hでの運転を実現している。車内は回転式リクライニングシートが1000mmピッチで展開しており、ピローやフットレストも備えているが、背面テーブル・インアームテーブルは備えていない。尚、展望車のクロスシートは回転せず、アームレストも備えていないがピローが可動式となる等通常の座席とは異なる仕様となっている。当初より車内案内表示器を備えており、文字ニュースや速度表示も行う等、当時としては水準の高い案内を行っていた。1000系は当初全車指定席車の4連のみが落成し、1997年までに21本84両が落成した。1994年以降に製造された車両については台車にボルスタレス台車を採用する等の仕様変更が生じている。1000系のうち24両については1991年以降製造された一般車1200系と組み合わせた6両固定編成を組成することになり、特別車の位置を揃える点から当該編成は全て豊橋方に連結され、岐阜方に1200系4連を組み合わせた。2005年の空港線開業に際しては行き先表示器の換装(方向幕→オーロラビジョン)や自販機撤去・荷物置き場の設置などの後天的改造を経ながら名鉄のフラッグシップとして使用されてきた1000系だが、名鉄の特急政策の変更に伴う全車特別車特急の廃止が順次なされたことで、全車特別車を組んでいた60両については2008年までに全車運用を離脱することになり、後に廃車解体されている。中には1997年製の車両も含まれており、10年ほどで運用を離れる車両もいたが、4両を除いて機器は5000系に流用されている。従って現在残っている車両は1200系と組んでいる24両のみとなっているが、残存車は引き続き主力車両の一翼として各線で活躍している。尚、これら残存車は2015年よりリニューアル工事が施工されることになっている。

 2008,03,16 神宮前


■Variation
 全車特別車で組成された4連。単独もしくは2本繋げた8連で走行していたが、登場当初は5300系や7000系等を併結した運用も存在した。尚、この編成は1000系のトップナンバー編成で、2008年の引退直前には「パノラマSuper」就役20周年記念のヘッドマークを掲げていた。

 2008,08,12 神宮前
 リニューアルの施された1000系。カラーリングが独自のものに改められた他、従来の愛称表示器の位置にフルカラーLEDの種別・行き先表示器が取り付けられている。車内も化粧板や座席の取り換え(併せて背面テーブルも新設しているが、展望室部分の座席はモケット張替えに留めている)、車内案内表示器のLCD化、トイレの洋式化、洗面所の配置変更等が行われている。2018年までに全ての編成でリニューアル工事が施工されており、またリニューアルされた編成は編成全体で「1200系」と呼称するようになっている。なお、1200系と編成を1000系は元々4両を組んでいた編成を2両に分割し、半分を方向転換した上でいずれも豊橋方に繋いでいる。元々1000系はサニタリースペースが編成に1か所のみであったため、1000系側にサニタリースペースのない編成は1200系側にサニタリースペースが設けられている(1000系側にサニタリースペースがある編成は、1200系側に車掌台が設けられている)。リニューアルに際しては、サニタリースペースの位置にロゴマークが貼り付けられた。特別車の車号が1000番台である編成は1200系側にサニタリースペースが設けられており、ロゴマークもそちらに貼られている。

 2022,05,18 神宮前
 特別車の車号が1100番台である編成は特別車側にサニタリースペースが設けられており、ロゴマークもそちらに貼られている。

 2022,05,18 神宮前

2022/05/23