8600系
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 1973年登場。京都線・奈良線系統の車両改善とサービス向上を目的に製造された車両で、8400系の増備車両としての位置づけでもある。8400系に準じた車体ではあるが、同車は初めて冷房装置が搭載されており、京都・奈良線系統において大幅なサービスアップが実現した。尚、製造当初から冷房装置が搭載されていたこともあって8400系とは屋根形状が異なる他、当初より前面に方向幕を取り付けた点も異なる。初期に製造された車両は送風装置が扇風機(後にローリーファンへと換装)であるが、1974年製の車両からはラインデリアが採用されている。基本的には4連を組むが、1978年に製造された8619Fのみ6連を組む。また8617Fは当初2連で製造されたが、菖蒲池駅での爆破事故によって余剰となっていた8000系中間車と新造の中間車を編入することで4両編成となっている。1979年までに8000系編入車を含む86両が製造され、車両冷房化に大きく貢献した。登場から一貫して京都・奈良・橿原線系統にて使用されている。後年になり一部編成は抵抗制御方式から8800系同様の回生制動付きの界磁位相制御方式へと改造されているが、全編成には波及していない。8600系は2002年〜2003年と2006年以降にB更新が施行されており、施行車は化粧板や床材・シートモケットの張り替えや車椅子ススペースの設置等の改造がなされている。また2006年以降の更新施行車は、一部窓が大型固定窓になるなどし、外観の印象も若干変わっている。現在に至るまで廃車は発生せず、前述の更新も行われているので86両全車とも活躍が続くものとみられる。

 2008,03,09 今 里


■Variation
 6両固定編成を組む8619F。8600系だけでなく、8000系列全体を見ても6両固定編成を組むのはこの編成が唯一である。

 2008,08,06 鶴 橋