12410系は1980年、12600系は1982年にそれぞれ登場。いずれも12400系のマイナーチェンジ車両であるが、その登場背景は異なる。12410系は名阪ノンストップ特急の利用客が従前にくらべ増加に転じたことで、それまでの2両編成では賄いきれなくなってきたことから同特急用に導入されており、このため1編成を除いて3両編成で落成した。12600系は下周りの老朽化が進み且つ運用が非常に制限されていた京都・橿原線用の特急車18000系を置き換える為に製造された車両で、18000系が2連2本を連結した4両編成を組んでいたことからこちらは製造当初より4両編成で登場している。両者間の違いは登場時の編成両数の違いであり、1983年以降は全車4両編成化がなされたので実質的な違いは殆どなくなっている。ただし製造背景の違いからトイレの位置は12410系がMc車とM車、12600系が中間T車とM車と異なっており、各車両の定員数に違いがある他、更に12410系が和式だけであるのに対し12600系が洋式併用であるなど、両者間では若干の違いがある。また、12410系では増備された中間付随車のユニットクーラーが床下配置となっており、前述したトイレ配置の違いもありその点で外観上の見分けがつく。両者とも12400系に準じた車体ではあるが、当時既に30000系が営業運転を開始していたことから前面デザインはそれに準じたものとなった。12410系は4連5本、12600系は4連2本が落成し、当初は名阪ノンストップ特急に優先使用されたが、21000系の登場後は他車同様に乙特急等の運用に就く機会も増えた。現在、12410系は東花園、12600系は富吉の所属となっており、前者は大阪近辺・後者は名古屋発着の特急列車の運用に就くことが多い。また現在は更新工事も施行されているので、今後も活躍する姿が見られるものと思われる。 2009,03,17 大和西大寺 |
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