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1988年登場。復興の兆しを見せていた名阪特急のフラッグシップとなるべく、名阪ノンストップ特急専用車両として開発された車両で「アーバンライナー」の愛称を持つ。デザインは従来車両と大幅に変わり、前面はシャープな流線型となり、スピード感溢れるものとなった。塗装も新時代を象徴するかのように大幅に変更され、白を基調としてオレンジのラインが配されたものとなっている。主電動機の出力を在来車両より下げる分全電動車方式となり、最高速度120km/hとなったことで名阪間で最速2時間をきる高速運転を実現した。本形式では一般的な座席のほかに初めてJRのグリーン車に相当するデラックスカーを連結しており、ワンランク上のサービスが提供可能となっている。斬新なデザインとインテリアは好評を博し、車両開発時の思惑通り名阪特急の呼び水となった。これが評価され、1988年にグッドデザイン賞、1989年にはブルーリボン賞を受賞している。1990年までに72両が製造されたが、この中には編成増強を目的とした運転台付き中間車ユニット6両も含まれている。登場後長らく近鉄特急のフラッグシップとして活躍していたが、登場15年を契機として後継車の21020系に準じた更新工事が2003年〜2005年に施行された。更新施行車は「アーバンライナーplus」の愛称が付けられ、塗装も変更されている。現在は全車更新済みであり、引き続き特急運用の主力車両として活躍している。なお、2020年のダイヤ改正からは名阪甲特急に後継の80000系が投入されることになり、本系列は名阪乙特急を中心とした運用に転じている。
2008,08,11 室生口大野 |