2010系
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 1959年登場。当時の京王帝都電鉄では1957年より初の高性能車である2000系を京王線に投入していたが、同車は全電動車方式となっていたことから変電所容量不足の要因となり、結果として持てる性能を発揮しきれないという欠点を生じさせていた。この問題点を打破すべく、当初より付随車を連結を前提とし2000系よりも経済性を重視した高性能車両を投入することとなり、それにより製造された車両が2010系である。車体はそれまで製造された2700系や2000系と同様、準張殻構造の17m車体で、所謂「湘南顔」と称される流線形となっている点も同じである。前照灯については初期車は一灯配置となっていたが、後期製造車からは当初よりシールドビーム灯が2灯配置された他、行き先表示も従来の表示板ではなく方向幕が採用されており、前照灯については後に全車とも2灯配置に改められている。また、最終増備車のみベンチレーターの形状が変更されている。同車最大の特徴は、前述のとおり付随車の連結を前提としたことで、主電動機はそれに見合う出力110kwのものが採用されており、定格回転数を低く、トルクを高く設定したことも相まって牽引力の増大に寄与している。台車は改軌にも対応した作りとなっていたが、結局改軌されることはなく終わっている。なお、車内はロングシートで基本的なレイアウトは2000系に準じている。2010系としては2連16本の32両の陣容となったが、前述のとおり中間に付随車を連結することで4連でMT比を1:1とするため、当初は京王線の昇圧で余剰となる全長13〜14m級の小型車を電装解除したものを2500系と称し編成に組み込んでいた。余剰車の有効活用ではあったものの、旧態依然とした中間車との取り合わせは非常に不釣り合いである他サービスレベルの低下にも繋がったこともあり、1962年からは更新名義で新造された付随車の投入が開始された他、2700系の編成替えで編成を外れた車両を中間付随車に改造編入した車両の組み込みを行うことで1968年までに全編成とも17m車体へと統一されている。一時期はアイボリーに臙脂帯を巻き、優等運用に使用された編成もいたものの、5000系の台頭で基本的には各駅停車主体の運用に就き、塗装はライトグリーン一色で「グリーン車」という愛称で親しまれた。最後まで非冷房のまま活躍し、7000系に置き換えられる形で1984年に廃車されており、同形式の全廃を以て京王帝都電鉄から緑一色の車体を有す車両は消滅した。廃車後、京王では2015号車が静態保存され、多摩動物公園駅前での静態保存から京王研修センターでの保管を経て、現在は再び多摩動物公園駅前に移り、同地に整備された「京王れーるランド」で保存されている。その他、1984年には2500系を含む18両が伊予鉄道に譲渡されて同車800系となった他(2010年全廃)、2009年には伊予鉄道から廃車された800系のうち4両が銚子電鉄に譲渡され同社の2000形となり、こちらは現在もなお現役で使用されている。

 2013,11,01 京王れーるランド
2016/06/16