1985年登場。老朽化していた500形等の釣り掛け駆動車や1000形初期車の置き換え用に製造された通勤型車両で、1000形以来となる地下鉄直通対応車両である。前面は800形で採用されたブラックフェイスを踏襲し、窓周りを窪まされている点も共通だがライトは2000形に類似した前照灯・尾灯一体型の角型ライトが取り入れられている(ただし尾灯は初めてLEDとなった)。地下鉄直通車という事で前面中央部には貫通扉が設けられたが、これにはプラグドアが採用されている。車体は京急で初めての両開き3扉車となったが塗装は1000形とあわせられており、内装もロングシートとなっている。1500形は1986年までに落成した4連5本が普通鋼製であり、当初側面には戸袋窓が設けられていた。また4連を組んでいたため当初は都営浅草線には乗り入れず、専ら線内運用に従事していた。1988年以降に製造された車両からはアルミ製の車体となり、前面形状が若干変更されている他側面の戸袋窓が廃されている。また空調装置が変更され、状況に応じて細やかに対応できるものとなっておりサービスが向上している。また内装は寒色系を維持しつつ、増備車からは袖仕切りが木目調となるなど次車ごとの変化も生じている。このグループまでは界磁チョッパ制御方式が採用されていた。1990年以降に製造された車両からはVVVFインバーター制御方式が京急では初めて採用され、番台が1700番台となっている。また製造当初からスカートが取り付けられるなど印象も変化している。また内装のカラースキームは界磁チョッパ制御車に準ずるものの、1992年以降に製造された車両では座席がバケットシートへと変更された。このように幾多もの仕様変更を経ながら落成した1500形は、1993年までに166両という陣容となり、4・6・8両の各編成が組まれ線内運用や他社線への直通運用など主力車両の一翼として活躍した。1995年の120km/h運転開始に際しては鋼製車を除いてブレーキの増圧化がなされた他、2001年からは車体更新が開始されている。この更新では内装のカラースキーム変更や座席のバケットシート化、袖仕切りの大型化をはじめ、車内案内表示器やドアチャイム・車いすスペースを新設するなど大掛かりな改造がなされ、新1000形等に準ずるものとなった。途中から界磁チョッパ制御車はIGBT-VVVFインバーター制御化も開始され、最終的に2009年までに1700番台含めて全車の更新が終了している。現在は一部編成の組み換えが行われており、新製時界磁チョッパ制御であった車両は4連ないし6連となり現在は線内運用にのみ使用されている。現在に至るまで各線にて主力車両として使用されているが、普通鋼製車は運用が限定されるため近年は大師線を中心に使用される。2019年からは1700番台が成田スカイアクセス線にも定期的に乗り入れるようになる等他車に伍して活躍が続く同形式だが、脱線事故の影響で1700番台8連1本が廃車されている他、1000形の増備により2021年からは鋼製車を皮切りに老朽廃車が開始されている。既に鋼製車及び界磁チョッパ制御車は全廃されており、VVVFインバーター制御装置への改造車両も廃車が発生している。 2012,11,20 京急川崎 |
■Variation |