1998年登場。既に冷房車両が台頭しつつあった琴平線とは異なり、18m級車両の入線できなかった志度線と長尾線では元京急230形の30形を筆頭に非冷房・釣り掛け駆動の旧性能車ばかりが在籍しており、車両性能・サービスとも大きく遅れている状態であった。この状況を打破すべく、当時名古屋市営地下鉄を廃車となった「黄電」と呼ばれる車長15.5m級の車両群を種車に京王重機で改造を施して導入することとした。この時に導入した車両のうち、製造当初より運転台を備えていた300形(東山線用)・1200形(名城線用)を種車とした車両が700形である。600形共々、志度線・長尾線の車両としては初の冷房車・カルダン駆動の高性能車である。600形とは異なり貫通扉が中央にある3つ折り妻型の前面となっており、ライトも丸形となっているのが特徴である。琴電への入線に当たっては、それまでは非冷房かつ第三軌条による集電が行われていたところ、廃車発生品を用いた集電装置や冷房装置の新設がなされており、後者の理由によって車内の送風装置がファンデリアからラインデリアに交換されている。主電動機や台車は基本的に地下鉄時代のものを流用しているが、主電動機は600Vから1500Vへの昇圧対応がなされ、台車は従来取り付けてあった集電靴の撤去を始めとした改造が行われている。またそれまでは1M方式であった制御方式を2両ユニット方式に改めた他、従来より在籍しているHL制御、釣り掛け駆動の旧型車との混結を可能とするための主幹制御器やブレーキ方式の改造も行われており、総じて大規模な改造が行われた。外観のみならず車内も大幅なリニューアルがなされており、前述の冷房装置設置のほか、化粧板やモケット等も全面的に交換されている。700形は2000年までに2本が登場したが、長尾線に元300形の編成が1本、志度線に元1200形の編成が1本在籍していた。2007年に長尾線にいた編成が志度線に転属しており、結果として現在は志度線に2本配置されている。現在も2本とも、600形に混じって活躍を続けている。 2013,12,28 八 栗〜六万寺 |
■Variation |