230形
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 1930年に製造された湘南電気鉄道のデ1形以降、後に京急となる湘南電気鉄道及び京浜電鉄のうち1940年までに製造された車両を全て同一形式にまとめたものである。とりわけデ1形は同形車両の礎となった車両であり、半鋼製車体ながらより軽量化を追求した車体構造を採用し、他にも大型窓など先進的なデザイン・機構を数多く取り入れており、戦前の京急車両の決定版ともいうべき車両となった。以降に製造された車両は内装の変更(デ1形は当初セミクロスシートであったがロングシートに変更された)や車体設計の変更もあるが、デ1形を元に製造されている。尚、大半の車両は2扉であるが、1940年に製造されたデ101形のみは3扉となり、後年まで変わっていない。これら車両群は、基本的に性能が類似していることもあり1942年の「大東急」発足時に5230形に形式統一され、1948年の京急独立時には230形と改称された。1962年以降車体更新が施工されて、塗装変更を始め運転台の全室化や窓のアルミサッシ化、、前面窓の固定化等が行われた。これにより同車以降に製造された車両に近づいたスタイルとなり、またそれまで1両単位で編成を組成し旧型の140形を中間に挟む等ちぐはぐな編成を組むこともあったが、以降は順次230形のみで2両編成を組むようになった。更にこの系列で唯一電装を解除され、3扉車であるクハ280形(旧京浜電鉄デ101形)がこの更新の際に登場し、1970年の同車の付随車化を経て230形は晩年全車4両編成を組むようになった。更新後も逗子線急行を始め優等運用に就くこともあったが、後継車両の台頭により1972年以降廃車が進行し、1978年までに全車引退した。尚、晩年は大師線・空港線など支線系統での仕様が中心となっていた。一部車両は保存され、また高松琴平電鉄に譲渡された車両は最長で2007年まで現役で使用された。

 2012,01,15 関水金属本社前


■Variation
 連結面からみた230形。妻窓も側窓同様大型となっており、統一されたデザインであるということが伺える。

 2012,01,15 関水金属本社前
 京急ファインテック久里浜事業所で静態保存されている230形は、京急の前身である湘南電気鉄道が製造した当時の姿に復元されている。外装のみならず車内も復元されており、セミクロスシートの内装となっている。尚、車番はデ1となっているがこれは種車本来の車番とは異なっている。

 2014,05,25 京急ファインテック久里浜事業所