E653系1000番台
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E653系0番台・1000番台・1100番台
 従来特急「いなほ」で使用されていた485系を置き換える目的で、E657系の台頭で余剰となっていた勝田電車区のE653系0番台を改造した車両がE653系1000番台である。それまでは編成ごとに異なっている塗装であったが、こちらは「日本海に沈む夕日」「実る稲穂」をイメージした塗装に統一され、クリーム・オレンジの2色をベースに波と太陽をイメージしたカラーリングとなった。また、従来の線区より寒冷な線区を走行するため、スカートが強化型のものに換装され、スノープラウが増設されている他、走行機器類への着雪を防止するカバーや塞ぎ板も新設されている。基本的には単独での運用となるため、電気連結器は撤去された。尚、E653系自体は元々他線区への転用を見越し耐寒耐雪構造で製造されていることもあり、車体・機器面においては後述のグリーン車への改座等を除いて大きな改造は施されていない。編成は勝田区の基本編成時代と同じく7連を組成しているが、勝田区所属時はモノクラスであったところ、秋田・青森方の先頭車両はグリーン車に改造されている。普通車の車内はリクライニングシートが910mmピッチで展開しており、モケットが青系の新しいものに交換されているものの、基本的な内装は従来と同一となっている。他方秋田方の先頭車両は、改造によりE653系では初の設定となるグリーン車となったが、窓割に合わせて座席を配置した結果、3列座席かつシートピッチ1820mmと非常に広いものになり、各座席にパーテーションを設置、更に車端部にミニラウンジを設けるという、近年まれにみる豪華な仕様の内装となった(座席定員は18名と、他形式の全室グリーン車よりも少なくなっている)。1000番台は2014年までに7連8本の陣容となったが、このうち1本はE653系で唯一2005年に製造された4連のK354編成に、7連を組んでいたK308編成の中間車3両(1998年製)を繋ぎ、新たに7連を組成している。2013年9月より特急「いなほ」で営業運転を開始しており、現在は485系を全て置き換え「いなほ」の全列車が同番台の充当となっている。快速「らくらくトレイン村上」も本車両の充当となったが、こちらは2021年に設定廃止となった。その他、従来の485系に代わって波動輸送にも充当されるようになり、新潟地区における臨時快速や、新潟地区を拠点としたTDR臨にも使用される機会があり、その際は古巣と言える関東地区でもその姿を見ることができる。なお、2017年より2本(U106・U107編成)が単色塗装に変更されている他、1本(U108編成)は国鉄特急色に近い色に塗り替えられており、こちらは波動用車両として古巣の勝田車両センターに戻っている。更に1本(U102編成)も運用減と185系の置き換え等の理由により、かつてのフレッシュひたちに近い新塗装に塗り替えられ、やはり波動用として勝田車両センターに戻っている。このため、2024年時点では7連6本が新潟車両センター、7連2本が勝田車両センターに配置されている。

 2021,12,05 新 潟


■Variation
 営業運転からしばらくは、前面の愛称表示はなく無表記のままであった。2016年より、「いなほ」のヘッドマークが表示されるようになっている。

 2015,07,26 新 潟
 2017年に塗装変更が施され、イメージを一新したU107編成。「はまなす」をイメージした「ハマナス色」の単色塗装となっている。

 2018,01,28 新 潟
 2017年に塗装変更が施され、イメージを一新したU106編成。日本海をイメージした「瑠璃色」の単色塗装となっている。

 2021,12,05 新 潟
 2018年には1本が国鉄特急色に準じたクリームと赤の塗装に塗り替えられ、勝田車両センターに転属された。内装は新潟時代から変更されていないため原番号への復元はされていない。651系に代わり臨時列車や団体列車に用いられる。2024年からは特急「鎌倉」にも用いられるようになった。

 2024,05,05 横 浜
2024/05/05