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キハ75形のうち400・500番台は、武豊線で使用されていたキハ40系を置き換える目的で1999年に投入された番台区分である。同時期に製造された200・300番台と同等の車体、走行性能を有するが、武豊線では1992年から一部でワンマン運転が行われていたことから、同線におけるワンマン運転に当初から対応している点が異なっている。このワンマン運転は車内運賃収受型であり、扉付近には整理券発行機、乗務員室背後には運賃表示器がそれぞれ設けられている。また、運賃箱が運転台背後に設置されており、そのため乗務員室と客室との仕切り扉がオフセットされている点が他の番台にはみられない特徴となっている。なお、快速「みえ」等で使用され、また指定席が設定されることも考慮されていることから、座席レイアウトは他番台と同一である。プリーツカーテンなど、その他のアコモデーションも200・300番台と殆ど同一だが、他番台でトイレ横に設置されていた公衆電話は落成当初から省略されている(トイレは400番台に設置)。400番台・500番台がそれぞれ6両製造され、当初は全車とも名古屋車両区に配置され武豊線及び東海道本線に直通する区間快速を中心に運用された。同番台の投入で武豊線からキハ40系が撤退の上他線区に転出したことで、玉突きでキハ58系列等が置き換えられている。武豊線は2015年3月に電化されたため、以降は美濃太田車両区に転属のうえ、活躍場所を高山本線・太多線に移した。転属直後から耐寒耐雪化改造が施され、車両番号が+3000され3400番台、3500番台に改められている。なお、構造上ステップレスとなっているため、高山本線での運用はホーム嵩上げが済んでいる岐阜〜下呂間に限られている。現在もなお主力車両として活躍が続くが、2028年以降に後継となるHC35形が製造されるため、その際には置き換えられる予定となっている。
2014,06,07 武 豊 |