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1988年登場。老朽化した国鉄型気動車の置き換えと、地方交通線におけるワンマン運転開始に伴い、新潟鉄工所及びJR東海名古屋工場にて製造された車両で、JR東海では最初に製造された一般型気動車である。当時新潟鉄工所で第3セクター鉄道向けに製造されていたNDCをベースとした普通鋼製車体で、全長は18mと国鉄型車両に比べて短くなっており軽量化が図られている。塗装はJR東海の標準塗装である白を基調にオレンジと緑のラインが配されたものとなり、前面は211系や213系同様に窓周りが黒くなっている。。側扉は乗務員室後部に片開き扉が2か所設置され、更に乗務員扉は運転台横にのみ設置される等、ワンマン運転に適したデザインとなっており当初よりワンマン運転に対応している。エンジンには同時期に製造されたキハ85系同様カミンズ製の高出力エンジンが採用された。キハ85系に比べて出力は若干劣るものの、軽量化された車体と高出力のエンジンの組み合わせにより、国鉄型車両に比べて加減速を始めとする走行性能は大幅に向上している。車内はロングシートとボックスシートを組み合わせたセミクロスシートで、カラースキームは同時期に投入されていた213系5000番台等と類似したものとなっている。ロングシートの比率が比較的高いことから、同車より車長が長いキハ40形等に比べて乗車定員は増加している。尚、比較的短距離を走行することを前提としているためトイレは設けられていない(現在は長距離運用に充当される場合、トイレ付きの300番台が必ず連結される)。JR東海に在籍するキハ11形のうち、普通鋼製の車両は暖地向けの0番台が10両、寒地向けの100番台が23両が製造されており、これに東海交通事業より貸し出されている200番台2両を加えた総勢35両の陣容となっている。登場から25年経つ車両ではあるが、2007年に1両が事故廃車された以外は2015年まで現役で使用されており、紀勢本線・参宮線・高山本線・太多線等の比較的短距離を走行する列車において主力車両として活躍していた。尚、後年になって車いすスペースやドアチャイムを追加設置した車両も存在する。2015年3月からは武豊線の電化開業及びキハ25形の増備によって置き換えが開始され、2015年度中に営業運転を終了する予定である。尚、余剰車はひたちなか海浜鉄道およびミャンマー国鉄に譲渡されている。
2012,12,24 津 |