キハ11形300番台
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キハ11形:0・100番台・300番台
 1999年登場。紀勢本線で使用されていたキハ58系の置き換え及び、それに伴うキハ11形の同線への導入を目的に、東海交通事業に製造されたキハ11形を合わせると6年ぶりに製造されたキハ11形のマイナーチェンジ車両であり、新潟鐵工所にて6両が製造された。全長18mの2扉配置である点は既存番台と同じであるが、こちらは車体が軽量ステンレス製となっており、オレンジ色のラインを上部と窓下に配したデザインとなっているためその外観は大きく異なる。窓配置もそれまでが扉間7枚であったものが6枚(トイレ設置面は5枚)に変更され、1枚あたりの寸法が大きくなっており、また窓は固定窓となっている。また車体寸法も見直され、車幅が10p拡大されている。前面は白く塗装されており、窓下の前照灯・尾灯は既存番台と同じものとなっているが、貫通扉上にも前照灯が設けられており、方向幕は正面左側に移っている。エンジンは同時期に増備されたキハ75形に類似したものに変更された(既存番台と比べ、機関出力は350PSに増強している)他、台車もキハ75形のものをベースとしたものに変更される等、外観のみならず走行機器類もマイナーチェンジがなされている。ただし既存のキハ11形との混結を前提としており、併結運転が可能である。車内はセミクロスシートであり、既存番台と比べるとボックスシートのヘッドレストがカバーとなり、カーテンがフリーストップタイプのものになる等の変更点が生じており、ロングシートも増設されている。更に亀山方には車いす対応の大型トイレが設置されているが、トイレの設置はキハ11形では唯一の事例であり、長距離運用への充当にも対応している。前述のとおり6両が伊勢車両区に配置されており、紀勢本線の長距離運用では本番台と既存番台を組み合わせた編成を組成することが多い。尚、2015年度に既存番台はキハ25形に置き換えられて運用を順次離脱しているが、こちらは使用路線を名松線に移し、引き続き使用されている。ただしキハ11-301・302の2両はJRの車両としては廃車され、東海交通事業に譲渡されている。結果、現在は4両の陣容となっており、前述のとおり名松線で使用されるほか、代走で城北線を走行することもある。

 2015,01,10 高茶屋


■Variation
 2016年3月のダイヤ改正に合わせそれまでのキハ11形0・100番台を置き換え、名松線に活躍の場を移したキハ11形300番台。折しもこのダイヤ改正で7年近く不通となっていた家城〜伊勢奥津間が復旧しており、車両・路線ともに新たな鉄路を歩みだしたといえる。東海交通事業に2両が譲渡されているため4両体制で、単行ないし2両で使用される。現在の名松線は基本的に同形式の独擅場となっているが、多客時等に同車の検査が入る場合はキハ25形による代走も行われる。なお、元々配置されていた伊勢車両区は2016年3月の改正で廃止されており、以降は名古屋車両区に転属している。

 2016,08,13 家 城
2016/08/21