733系3000番台
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733系0番台1000番台・3000番台
 2014年登場。小樽・札幌〜新千歳空港を結ぶ快速「エアポート」は、721系が一部を除き3扉ナガラデッキ付きで乗降に支障をきたすことが課題となっていた。そこで快速「エアポート」の更なる輸送力増強と、それに伴う転配により711系を淘汰することが計画され、その目的で製造された車両が733系3000番台である。それまでの3連とは異なり、本番台は当初より快速「エアポート」に用いることを前提としたことから、2M4Tの6両編成を組む。これにより、サハ733形という形式が初めてお目見えしている。このうち、4号車にあたるサハ733形3200番台は、721系同様指定席車両「uシート」となり、識別のために青と赤のラインを配しており、また車掌室も有すため外観上の特徴となっている。0番台同様制御方式はIGBT-VVVFインバーター制御方式、駆動方式はTD平行カルダン駆動方式で、全電気ブレーキを搭載している点も同一であるが、本番台最大の特徴は、全閉式主電動機を採用したことにある。733系0番台までの車両は、主電動機の冷却に外気を用いており、外気は車内の雪切室を経由して主電動機を冷却していた(降雪期に外気と共に取り込んだ雪を分離し、主電動機に取り入れないためのものであり、乗客側の観点ではデッドスペースといえる)。全閉式主電動機は発生熱を熱交換器を用いて主電動機の表面から放出することで冷却を行うことができ、外気の取り入れを要しないため、雪切室の廃止とそれに伴う客室スペースの拡充、定員数の増加を行うことができる。主電動機の高効率化により実現したこの全閉式主電動機は現在各地で導入されつつあるが、これをJR北海道で初めて採用した車両がこの733系3000番台である。車内は一般車両が0番台同様のオールロングシート、サハ733形3200番台がリクライニングシートとなっており、このうち後者のみ各扉にデッキを有し、また733系で唯一戸袋窓を有す。3000番台は2015年までに6連7本が製造され、順次快速「エアポート」の運用に投入された。しばらく増備はなかったものの、2018年には更に6連4本が増備され、現在は6連11本の陣容となっている。間合い運用で区間快速「いしかりライナー」(2020年設定廃止)や普通列車に充当されることもあり、その際は「uシート」も自由席となる。札幌都市圏における新たな顔として、721系と共に活躍が続く。

 2016,01,09 札 幌


■Variation
 3000番台のうち、2018年に製造された4本では前照灯・標識灯が全てLED灯に統一されている。1000番台における仕様変更を反映したものだが、現在は既存の編成にも波及しつつある。

 2021,10,22 札 幌
2021/12/09